
小さな夢もあります。アメリカのテレビドラマで『glee/グリー』というのがあります。私はこのドラマを見て、何度も救われました。1から6までシリーズがあるんですが、もう何回見たかというくらい見ています。
このドラマは高校のグリークラブ(合唱部)を中心に描かれていて、そこには黒人やレズビアン、バイセクシャル、車いすの人、アジア人など、アメリカ社会でいわゆる「マイノリティ」と言われる人たちが出てきます。
このドラマの良いところは、こうしたマイノリティの人たちに注目するのではなく、周りに普通にいるということです。レズのカップルが主役になったり、車いすの人が主人公だったり、とかではないんですね。このドラマでは車いすの人が歌って踊ります。だけどその苦労とかは一切描かれません。当たり前にそこにいるんです。
ドラマに出てくる人のいろんな考えに触れて、私自身、本当に助けられたことがたくさんあります。
例えば、女の先生が性転換するという話が出てきます。「自分の性に対して違和感があった」「心にとどめてきたが、限界がきた」「自分の本当に姿になろうと思った」という葛藤などを話してくれます。
ryuchellから話を聞いても100%理解できないところもあったんです。だけど同じような境遇の人のセリフを聞くと、改めて「そういうことか」と思えたりするんです。すっと心に入ってきて、背中を押されたりすることがありました。
ゲイの子どもがいて、お父さんにカミングアウトする話があります。その子どもや父親のセリフには助けられました。息子を亡くした母親が嘆くシーンがあります。共感して胸を打たれることがありました。
だから、もし何かの機会があって、『glee/グリー』の出演者に会うことができたら、英語で自分の気持ちを伝えたいと考えています。例えば、ニューヨークに行って、たまたま出演者に出会ったりしたとき、そのチャンスを逃さずしっかりと自分の気持ちが言えるように、いま勉強を頑張りたいと思っています。
(構成/AERA dot.編集部・吉崎洋夫)