新NISAスタート1カ月で「実際に買われた」投資信託は? 主要ネット証券5社の生データを入手し、買い付け金額順にランキングした。
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1月開始の新NISAは、つみたて投資枠(積み立てのみ可)と成長投資枠(積み立ても一括投資も可)に分かれている。
つみたて投資枠の投資信託は273本(金融庁、2024年1月30日現在/ETF=上場投資信託は含まず)。成長投資枠は1870本(投資信託協会、同2月19日現在/非上場)もある。
この中で、実際に個人投資家に新NISAで買われた投資信託は?
本誌はSBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券、auカブコム証券──主要ネット証券5社の生データを入手。各社とも個別の数字は非公開だが「5社合計なら」という条件付きで掲載許可を得た。
期間は1月4~31日。NISA口座(つみたて投資枠+成長投資枠)で受け渡しが行われた投資信託を「買い付け金額順」にランキングした。
参考までに、各投資信託の「買い付け件数」「1カ月の積立設定金額(5社平均)」も併記している。
米国集中を避けた
買い付け金額1位は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」2941億円、2位は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」2041億円。トップの2本だけで約5千億円だった。
純資産総額で見るとeMAXIS Slimの全世界株式が2.4兆円(24年2月15日現在/以下同)、S&P500が3.6兆円で、純資産総額ベースではS&P500のほうが人気。
直近1年の上昇率を見ても、全世界株式は32%、S&P500は40%。後者のほうが成績はいいのだが(1年以上の長期データで見ても同様)、新NISAの初月を制したのは全世界株式となった。米国だけに集中投資するリスクを避ける人が多かったのだろう。
なお、この2本は1月4日初日に記録的な申し込みがあった。「全世界株式(オール・カントリー)」が1010億円、「米国株式(S&P500)」が653億円(いずれも確定値)。たった1日でこの金額とは。