昨年3月、日本に“ペッパーミル旋風”を巻き起こしたラーズ・ヌートバー(カージナルス)は将来的にNPBでプレーする可能性はあるのだろうか……。メジャーリーグの古豪球団でレギュラーを掴んだ26歳のキャリアは今後どうなるのか。
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2023年はヌートバーにとって飛躍の年になった。3月に開催されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では日系人として初めて侍ジャパンでプレー。日本で行われた第1次ラウンドでは宿敵・韓国戦で反撃の狼煙をあげるタイムリーを放つなど攻守に印象に残る活躍を披露し、チームの世界一に貢献した。
メジャーリーグに戻っても3度の負傷者リスト(IL)入りこそあったものの、自己最多117試合に出場し、打率.261、14本塁打、46打点、11盗塁をマーク。また、侍ジャパンでもリードオフマンとして光った選球眼は健在で出塁率.367はナ・リーグ11位だった。
「正直、ここまで伸びると思わなかった。選球眼は良いが長打力に欠けるため、『平均より少し上』という評価だった。侍ジャパンでNPB選手から技術的に得るものもあったのだろう。何より世界一に貢献したという自信が大きかったのではないか」(MLBアジア地区担当スカウト)
2018年のドラフト8巡目(全体243位)とプロ入り時は決して大きな期待をされていたわけではなかった。しかし、順調にチーム傘下のマイナーで結果を残すと2021年にメジャーデビュー。その年に58試合に出場すると、翌2022年には外野の定位置を掴み、108試合で打率こそ.228と低かったが、14本塁打、出塁率.340をマークした。
「WBCが25歳の年だったことにも運の強さを感じさせる。MLBでは25歳という年齢が分岐点とされる。(海外選手との)契約ルール上のみでなく選手としての将来性を判断される基準の年齢にもされているからです」(在米スポーツライター)
オフの佐々木朗希(ロッテ)の件でも話題になったが、現状では25歳未満の海外選手はマイナー契約しか結ぶことができない規定がある。そのルールがある理由として「国内の選手を発掘して育てる時間的猶予を作り出すため」という側面もあると言われる。