参加者のなかには、話をしながらこみ上げてくるものがあって、涙する人も少なくない。主宰者のわたしがドキッとするような話も出てきたりする。

 そして、講師塾を続けているうちに、なんとなくわかってきた。「話す」というのは、究極のアウトプット。

 さらに、それをしっかりと受け止めて聞いてくれる人がいる。たぶん、そこで認められている感がある。

 それが、心地良いのだと感じる。

 多くの人は、誰かに自分の思いや考えを聴いてもらいたいのだと思う。

 だから、しっかり話をすると、スッとする。

 わたしの主宰する講師塾だけじゃない。わたしの周囲には、人気の心理カウンセラーもいる。彼らは言う。

「聴いてあげるだけで元気になる人なんて山ほどいるよ」

 やっぱり、話すだけでごきげんになる人はたくさんいる。

 では、なぜ、話すとごきげんになるのだろう。

 わたしの友人の心理カウンセラーが言った。

「アウトプットは、人を元気にさせるみたい。話すってアウトプットでしょ」

「つまり、人は貯めていても元気にならないの。排泄物だって、出すから元気になるでしょ。それと一緒」

 わかるようなわからないような理由だけれど、なんとなくナットク。

 いずれにしても、話ながら元気になる人を、わたしは山ほど見てきた。

 それどころか、

「もっと、もっと、話をしたいけれど、どうすればいいですか?」

 などと言う人もいる。

 実際、わたしはビジネスとして、2時間3万円でとことん話を聴いてアドバイスをするという仕事もしている。

 ありがたいことに、みんな喜んで3万円払ってくれる。

 そのくらい人は、自分の話をしたいのかもしれない。

 そう思うと、井戸端会議は、人を元気にする場所かも。

暮らしとモノ班 for promotion
2024年の『このミス』大賞作品は?あの映像化人気シリーズも受賞作品って知ってた?