その後も、その人を要所、要所で登用するにつれ、周囲の気持ちはリーダーから離れ、リーダーとその部下は孤立することになります。一方で、その人の行動についての意見(クレーム)も耳に入るようになり、その意見を当人に伝えて、なんとか周囲との関係性を改善してもらおうとします。ところが、本人からこう説明されます。
実は〇〇ということがあって、その行動になった。自分が動かなかったら事態(周囲との関係)は悪化しただろう。
これに「なるほど、周囲がわかっていない」と思います。この部下は自分と同じ目線でよくわかっていると思い、誰がどんなことを言っているのかを伝えてしまいます。ときにはメールを転送してしまったりします。
これが事態をさらに悪化させます。その部下と注進してくれた部下との関係性は最悪になります。
自分と周囲の評価が逆だったら
自分の評価は極上。ただ周囲の評価は真逆。こんなときは、自分の目が曇っているのではないかと疑いましょう。
これまで私は多くの人のアセスメントに関わってきました。5000人は優に超えているでしょう。この点からすると「人を見る目」についてはプロとしてそれなりの実績があるといえると思います。
しかしながら、こと自分が絡むことになると一気に目が曇ります。そういうものです。私情は判断を誤らせます。過去に数回、ここで書いたような失敗をしたので、自分の評価と周囲の評価にギャップがある場合にはこう捉えています。
・その部下が自分にとって優秀なことは事実(ただし、それは自分に対してのみ)
・その部下が周囲とうまくやれていない(よくない影響をもたらしている)ことも事実
このため、こう心がけています。
・その部下の周囲への影響を最小にするアサインとすべし
・それができない場合にはその部下を自分から離すべし