森永乳業 営業本部営業企画部 素材戦略グループ アシスタントマネージャー 米澤寿美子(よねざわ・すみこ)/1980年生まれ。2007年入社。研究部門でビフィズス菌入りヨーグルトの製造技術に関する基礎研究、乳酸菌・原料の開発に携わる。17年に営業部門へ異動し、ビフィズス菌の啓発活動に従事(撮影/岡田晃奈)

 全国各地のそれぞれの職場にいる、優れた技能やノウハウを持つ人が登場する連載「職場の神様」。様々な分野で活躍する人たちの神業と仕事の極意を紹介する。AERA2023年11月20日号には森永乳業 営業本部営業企画部 素材戦略グループ アシスタントマネージャー 米澤寿美子さんが登場した。

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 森永乳業の商品の中で売り上げ1位を誇るのが、ビフィズス菌を礎とした「ビヒダス」シリーズ。中でもフルーツ味が人気だ。その基礎技術を開発し、大量生産化にも貢献した。

 同社は1971年に日本で初めて発酵乳へビフィズス菌を応用することに成功し発売。しかし、プレーン以外の味の商品化は長年できていなかった。2006年にフルーツ味の開発に乗り出した。

 農学部出身で微生物の研究をしており、最初は派遣社員からのスタートだった。

 ビフィズス菌は乳酸菌と違い、酸素・酸性に弱い性質を持つ。フルーツは酸性で、ヨーグルトと混ぜる時に空気を取り込んでしまうという相性の悪さを乗り越える菌の発見が求められていた。

 生き物であるビフィズス菌のリズムに合わせて観察をすることにした。

 夜23時に菌を植えて、翌早朝6時から実験を開始。ヨーグルトの発酵をすぐにはじめてくれる元気な菌を育て、活性を保った状態で凍結する。片時もそばを離れず、見守った。

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