日本の家計の金融資産の5割超が現預金で占められ、株式・投資信託は2割にも満たない。これに対し、米国は5割超が株式・投信で、現預金は2割未満です。国内の金融機関にお金を預けていても、利回りはゼロに近く、長く預けたって、ほとんど増えません。
消費者も、こうしたばかげた運用方法に気づき始めました。これまで内部留保を積み上げ、お金を遊ばせてきた日本企業も、将来への投資や株主への還元姿勢を強めています。こういった動きをみた外国人投資家も、焦って日本株に目を向けるようになっています。
国内の株式市場に資金が入ってくる条件がどんどん整っている。満を持して買い上げられる状況にあるのです。

―― 大きな追い風の一つが不安定な外国為替市場というのは心もとない気もします。
それはその通りで、円高に反転すれば好調な日本の経済や景気を支える土台は覆されるリスクもあります。でも一定の円安基調は今後も維持されるとみています。
―― どうしてですか。
長い目でみてドルが強い状況に変わりはないと考えているためです。今もこれからも世界経済のけん引役はITやAI(人工知能)といったサイバー関連の技術やプラットフォームです。この世界では米国が一人勝ちと言っていい。多少の浮き沈みはあっても、米国が世界経済を先導する状況はしばらく続くでしょう。こうした強い経済をベースとして、ドルが強い状況も続く。