2大会連続の8強とはならなかったラグビー日本代表(ロイター/アフロ)
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 ラグビーのワールドカップフランス大会で、日本は8日にスタッド・ド・ラ・ボージョワールでアルゼンチンと1次リーグの最終戦を戦い、27-39(前半14-15)で敗れた。

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 第3戦でサモアを下し、2勝1敗としていた日本は、この試合に勝つか、引き分けてもボーナス勝ち点で相手を上回れば決勝トーナメントに進出できたが、2大会連続の8強入りはならなかった。プールDの最終順位は3位で、4年後にオーストラリアで開催される次回大会の出場権を獲得した。1987年の第1回大会から10回目となる今大会まで連続出場している日本だが、2011年大会までの7大会で挙げた勝利は1991年大会のジンバブエ戦の1勝のみ。しかし、2015年大会で南アフリカ戦を含む3勝を記録すると、地元開催だった4年前は4戦全勝で1次リーグを突破。今大会で3大会連続の複数勝利となった。

 アルゼンチンとの試合では前半は1点差で折り返し。後半も16分、27分と2度も2点差まで詰め寄った。しかし、最終スコアは12点差、トライ数もアルゼンチンの5に対して日本は3と、終わってみれば完敗だった。

 試合開始直後、日本はいきなりアルゼンチンにトライ(ゴール成功)を許した。痛い失点だが、日本は16分と早い段階に一度はトライ(ゴール成功)で追いついている。決して試合の趨勢を決するものではなかった。一方で、相手に序盤から優位に立たれたのは確か。さらに、直接的な失点の原因はタックルミスだが、アルゼンチンに主導権を握られたキックオフやモール、攻めごろの位置のラインアウトを相手に与えてしまうあっさりとした日本のキックと、この試合のその後の流れを暗示する要素がいくつもあった。

 日本の16分のトライはロックのアマト・ファカタヴァ(リコーブラックラムズ東京)。左タッチライン際でショートパントを蹴り、バウンドしたボールを相手選手と入れ替わるように巧みに確保してインゴールに走り込んだ。見事な個人技とともに、そこまで大きくボールを運んだチームの攻めとリーチマイケル(東芝ブレイブルーパス東京)のパスも光った。

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イングランド戦と“重なった”試合展開