9歳にして国内外のさまざまな絵画コンクールで何度も優勝しているSayaさん。世界に羽ばたくスーパーキッズの才能を、母親のMayaさんはどう育てたのでしょうか。Mayaさんに子育てについて伺いました。発売中の「AERA with Kids2023年秋号」から抜粋してご紹介します。
【写真】「青の博士」Sayaさんの作品はこちらコロナ禍にリビングで生まれた絵画が世界に感動を与えた
Sayaが2歳のとき、ロンドンのナーサリー(幼稚園)に通っていまして。ある日お迎えに行くと先生から、「Sayaには絵の才能があるかもしれない」と言われたのです。私自身、絵心ゼロですので、「本当に?」という感じでしたが、そのまま帰り道に雑貨店に寄って、絵の具セットと画用紙を買いました。
するとその日から、夢中で絵を描き始めたんです。バイリンガルで言葉が出るのが遅かったので、Sayaにとって描くことは自分の感情を出す手段だったのかもしれません。
その後、Sayaが5歳のときに帰国、翌年小学校に入学しましたが、コロナ禍で休校に。その間に描いた絵を私が何げなくSNSに載せたら、「元気が出ました」等のコメントであふれ、注目を集めたのです。
Sayaの絵を見た人から、独特な色彩感覚を褒めていただくことがあります。確かに色の作り方、選び方がすごく不思議。特に青色に詳しいことがSayaの自慢で、コバルトブルーやウルトラマリンなど、60種類もの青の色の名前が全部言えるし、描けるんです。まさに「青の博士」だねって言っています。
これはイギリス生活で、多様な国籍、人種の子と触れ合ったことが大きいと思います。ただそれ以上に影響しているのは、私や周りの大人が、「○○はこうでなければならない」という固定観念を押し付けなかった点です。例えば、いろいろな青で描いたキリンの絵「MISS BLUEBERRY」。もし私がSayaに、「キリンは黄色と茶色だよ」と教えていて、「青じゃない」と否定していたら、この絵は生まれなかったでしょう。
次のページへ「すごいね~!」と全力で褒める