また、否定はせずとも褒める方法もありますが、私は褒める=「よくできました」というのは上から目線みたいで好きじゃなくて。その代わり、「すごいね~!」と全力で驚きます。私が驚きのあまり椅子から転げ落ちたりするので、Sayaも「次はどんな絵を描いて驚かせよう?」ってワクワクしちゃうみたい。

7歳のとき、小学校の美術の授業で描いたさつまいも、かぼちゃ、りんごのデッサン。先生にもユニークな色使いを評価してもらい、花まるをもらって教室に貼り出されました。(撮影/植田真紗美)

塾や習い事は最小限 空白の時間を大切に

 Sayaは読書が大好き。物語の世界に入りこんで、大声で笑ったり、涙を流したり。本のお話の続きを絵に描くこともあります。こんなふうに自由に空想する時間を大切にしてあげたいので、毎日習い事を詰め込んだりはしていません。

 ただ一度だけ、Sayaを絵画教室に連れて行ったことがあります。そこではお手本通り、先生に言われた通りに絵を描いたのですが、帰り道、「これは私の絵じゃない、先生の絵」って、本当にがっかりしていました。

新作のフラミンゴ。周囲の水玉は水風船を使って描いています。絵筆のみならず、新聞紙や段ボール、綿棒やラップなど、さまざまな材料を用いて絵を描くのもSayaさんの特技。 (撮影/植田真紗美)

 Sayaは絵がうまいと評価されたいわけではなく、自分で自由に創り出したいだけなんです。私もSayaを美大に入れたいとかアーティストにしたいと思っていませんし、Sayaが楽しめればいいんです。

 そして現在のSayaの夢はピザ屋さん。Sayaが選んだ道なら何でも全力で応援してあげたいですね。

わが家の子育てのポイント

1)褒めるより驚く

「すごい!」と思ったら、驚くことでSayaへの共感を表します。Sayaも私が驚くと認められたと感じて、「また驚かせたい」と思うみたい。

2)読書の時間は最優先

本の世界に没入しているなら、ご飯の準備ができても話しかけないし、食事中に読書してもOK。読んだぺージを開いておいてもOKです。

3)先取り教育はしない

先取りよりも年齢に合った学びが大事。就学前なら読み書きより砂場遊びです。Sayaはひらがなも小学校入学後に学校で教えてもらいました。

※「AERA with Kids2023年秋号」から

(取材・文/阿部桃子)

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阿部桃子
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