
自身初の朗読劇「ハロルドとモード」に出演する向井康二さん。インタビューでは、今回演じる役柄と19歳のころを明かした。AERA 2023年9月25日号より。
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――初挑戦となる朗読劇「ハロルドとモード」で演じるハロルドは19歳です。
向井:「いや、でも、俺は19になろうとは思ってないの。そこはふわっと、ハロルドっていう子ども、って思ってる。19を意識しすぎると、変に年下づくりしちゃうから」
――向井さん自身は、どんな19歳でしたか。
向井:「つまらねえ19でした……。来世は、絶対大学行かへん!(笑)。いや、大学は大事やと思う。ただ、俺が向いてなかっただけで。
大学の友達は一生もんって言ったりするけど、俺は3人しかおらんかったし。ま、もう仕事してたから、気にもしてたし、サークルも入ってなかったし、積極的に友達作らんかったからっていうのはあるけど。19は、あと、仕事やるかやらないかをちょっと迷ってた時期でもあるかもね。高3でまず悩むの、仕事辞めるか、大学に行くか。俺はまあ、迷いながら行って。大勢の教室座って、何のためにこの授業受けてんねやろとか……ほんと、俺には向いてなかった。だって、授業なんも覚えてへんの(笑)」
──悩みの深い19歳でした?
向井:「うん、そうでした」
──ハロルドと同じように、生きづらさを感じたことも?
向井:「あるある! 生きづらいと思うことは、人は誰でもあると思いますけどね。情報化が進んだこの世の中、特にね。まあ、あるけど、寝ればなおる! 考え方ですよ。ポジティブにね。俺も、しんどいなって思うときあるし、仕事中に顔に出すときもあるけどね、人間だもの。そのことにファンのみんなが気づくときもあるのよ。でも、合ってるときもあれば、間違ってるときもある。だから、変に想像しないで、って思う」
──しんどいと感じるのは?
向井:「愛を感じないときやね。例えば雑誌やったら、この雑誌を売りたいなという愛。……まあ、愛の種類はいっぱいあるよ。なんでも一緒やん? いまここにコーヒーあるのもさ、愛じゃん。愛は200種類あんねん(笑)。やさしさも200種類あんの」
──作中には、「この世界に何より足りないのはやさしさだ」というモードのセリフがありますが、向井さんは何が足りないと思いますか?
向井:「うーん。ま、やさしさっていうか、思いやりじゃない? 俺も、自分中心になるときもあるねんけど、例えば、スタッフさん重い荷物運ぶの大変やから、とか、相手のことを考えるとさ、やさしくなれる。と思う。あとは、言われたいことを言うの。俺、疲れてるでしょ、って言われるより、最近忙しいよね、とか、最近休めてないんじゃない?とかのほうがいい。だから、俺はそう言うようにしてる」