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ひきこもりから抜け出したきっかけは人によってさまざまだ。ひきこもりを乗り越えた放送作家・寺坂直毅さんの場合はどうだったのか。AERA 2023年9月25日号から。
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中学2年の秋から不登校になりました。きっかけは同級生からのいじめですが、一日一日と過ぎるうちに意地になってもいました。「絶対に行くか」と。両親は心配しつつも見守ってくれていて、時々、僕が好きだったデパート巡りをさせてくれました。地元・宮崎では誰かに会ってしまうと気まずいので、熊本や福岡まで一人旅をしていました。
ひきこもってから、深夜ラジオを聴き始めました。1年後、「ナインティナインのオールナイトニッポン」で、自分のハガキが読まれました。遠く離れた大都会の東京で、ナインティナインのお二人が大爆笑してくれている。宮崎という田舎で友だちが一人もいなかった僕にとっては衝撃的でした。自分という存在を認めてもらえたような気がして、いつかラジオの世界で働きたいと思うようになりました。