RIMAさん(右)と小泉朝未さん(撮影/MIKIKO)
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 AERAの連載「はたらく夫婦カンケイ」では、ある共働き夫婦の出会いから結婚までの道のり、結婚後の家計や家事分担など、それぞれの視点から見た夫婦の関係を紹介します。AERA 2023年9月18日号では、作業療法士と舞台照明の仕事を兼業するRIMAさん、一般社団法人HAPSでSocial Work/Art Conferenceに携わるほか、アートコーディネーターも務める小泉朝未さん夫婦について取り上げました。

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RIMA34歳、朝未28歳で結婚。長男(7カ月)と3人暮らし。

【出会いは?】ともに身体障害者の芸術表現を追究する劇団「態変」でパフォーマーをサポートする黒衣スタッフをしていた。打ち上げ時に、興味のある美術展に一緒に行く話になった。

【結婚までの道のりは?】帰路の会話で、今年の目標に「彼女を作る」と言ったRIMAに、「候補に入れてもらえたら」と朝未が伝えた。共同生活し、6年後に結婚。挙式はせず、なりたい自分たちのイメージをつくって写真を残した。

【家事や家計の分担は?】料理は朝未。掃除と皿洗い、休日の作り置き料理はRIMA。生活費は給与差の割合に基づいて出し合う。教養・娯楽費は各自。

夫 RIMA[37]作業療法士、舞台照明

りま◆1985年、大阪府生まれ。高校卒業後、舞台照明の会社でコンサートなどの舞台照明業務に従事。24歳で大学へ、作業療法学を専攻。途中2年間休学し、劇団の制作スタッフを担う。卒業後、病院や通所リハビリ施設で作業療法士として勤務。舞台照明の仕事も兼業している

 はじめは同棲というより、あえて同居人のような気軽さで共同生活を始めました。調子が悪い時に助け合えたりして、少しずつ関係ができていったんです。次の引っ越しで、また一緒に住むかどうかを話し合った時は積極的に一緒にいたい気持ちでした。ただ二人の間では結婚の必要は感じなかったです。家父長的な側面が強い、現状の結婚制度を良しとしていないので。けれど婚姻届を出さないと、子どもを育てるのに不利になるように感じたので出しました。

 僕は幼少の頃から、血縁のない、いろんな人が家族の中に入った環境で育ちました。そこにストレスはありましたが、面白くもありましたね。僕たち家族も両親や血縁者だけが子どもを育てるのではなく、子を中心としていろんな人が関わり、共に育ち合えたら面白いかもしれない。

 子どもが生まれ、朝未さんにはありがとうの気持ちがより出てきています。時々は言葉で伝えるのも必要かなと思って手紙を書くことも。渡すのは誕生日ぐらいですけどね。

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