以前、型落ちグランプリで外付けHDD/NAS(Network Attached Storage)を紹介したが、「USB接続とLAN接続(NAS)の違いがイマイチ分からない」という声をいただいた。そこで、今回はもう少し踏み込んで双方の違いを解説したい。
まずは、現場で機器の紹介をしている大手家電量販店のベテラン店員に聞いてみた。
■USB接続とLAN接続の違いとは?
そのベテラン店員いわく、「1点目は速度、2点目は接続台数、3点目はクラウド利用の有無、そして4点目は価格帯ですね」と、その違いを指摘した。それぞれの違いについて、順番に解説していこう。
1.テクノロジーの進歩で縮まる転送速度
転送速度について比較すると、USB接続(USB3.0)の場合、約5000Mbpsで、LAN接続(100base)の場合は100Mbpsとなる。その差は約50倍だ。大局的には、今後、高速機器を組み合わせたNASの転送速度は上がってくるのとのことなので、両者の転送速度の差は縮まってくるだろう。
2.接続台数が決め手になる
複数台のパソコンやスマートフォン、デジタル家電などと接続するならLAN接続のほうが便利だろう。USB接続とLAN接続の決定的な違いは、LAN接続HDDで構成されたNAS専用機ならDTCP-IP(家庭内LANでの保護コンテンツの共有規格)対応機もあり、テレビの録画や再生も可能である点だ。
3.次世代型デジタル機器の使い方、クラウドストレージとは?
前出の店員は、「NASの魅力は何といっても外出先でスマホやタブレット、パソコンでデータ共有ができることです」と語る。この「外出先でのデータ共有」こそ、“クラウドストレージ機能”だ。バッファローのNASを例にとると、あらかじめ設定しておけば、NASをクラウドストレージとして、専用ソフト(スマホの場合はアプリ)でデータの取得や保存ができるのだ。
4.便利さと価格差を天秤にかける
USB接続のHDDは発売してからだいぶたっていることから、値段がこなれてきている。実際、前回紹介したUSB接続のHDDの価格は1万円程度でかなり安くなっている。一方、LAN接続のHDDは機能により幅はあるものの、安いものでも1TBで1万円以上し、約3倍近い価格差がある。とはいえ、先に紹介したようにデータ共有やデジタル家電との接続、外出先での使用など便利な点も多く、一概に価格だけでの判断はしがたい。
最後にベテラン店員は、こうまとめる。
「これからの時代は一家に一台NASが当たり前になってくると思いますね。ぜひ、NASの購入を検討いただければと思います」
最後はしっかり販売トークをされてしまった(笑い) さて、家族会議で予算取りするプレゼンの準備を始めるとするか。
(ライター・中森勇人)