ミッツ・マングローブ

 ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの連載「今週のお務め」。13回目のテーマは「男子バスケの快挙と手指フェチ」について。

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 何やら男子バスケが凄いことになっています。近年は、八村塁選手や渡邊雄太選手らのNBAでの活躍もあり、以前にも増して注目度が上がっているのは認識していましたが、恥ずかしながら現在ワールドカップが開催されていることすら知りませんでした。 

 それが、寝て起きたらスマホのニュースが「男子バスケ快挙」の記事で埋め尽くされている状態。生まれてこの方、「フィーバー」や「ブーム」と呼ばれるものは、たとえ上辺だけでもチェックはしてきたつもりです。そして、半日あれば立派な「にわかファン」になれるという自負とともに、子供の頃から様々なスポーツ鑑賞に興じてきました。

 どんなスポーツでも、そこには必ず「イケる男」がひとりはいるものです。この邪な性的感情だけを頼りに、ぼんやり観ている内に、いつの間にか競技そのものの本質や魅力に気づかされていく……。これが48年間培ってきた私のスポーツ鑑賞法です。野球もプロレスも柔道もラグビーもみんなそうでした。

 此度の男子バスケにおいても、河村勇輝という男子を見つけました。無論、日本がカーボベルデに勝った後に知ったのですが。弱冠22歳、2001年生まれだそうで。年齢差を計算するのも躊躇われるぐらい、これからの時代を切り拓くべく若さと輝きに満ちた爽やかな青年です。きっとこの先、順調に行けば、日本のトップアスリートのひとりとして、よりスター性を高めていくことでしょう。
 

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ミッツ・マングローブ

ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

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