プレミアアンチエイジング ブランドマネジメント部長 市原澄子(いちはら・すみこ)/1972年生まれ。97年からアウトドアメーカーで商品の企画、2005年からドクターシーラボで化粧品の企画・開発を担当。21年から現職(撮影/加藤夏子)
この記事の写真をすべて見る

 全国各地のそれぞれの職場にいる、優れた技能やノウハウを持つ人が登場する連載「職場の神様」。様々な分野で活躍する人たちの神業と仕事の極意を紹介する。AERA2023年8月28日号にはプレミアアンチエイジング ブランドマネジメント部長 市原澄子さんが登場した。

*  *  *

 2022年に新規参入した、自宅で手軽に白髪ケアができる「clayence」が、カラートリートメントカテゴリーで売り上げナンバーワンを獲得した。手軽さと、スタイリッシュな容器デザイン。さらに、染め上がりの良さがヒットにつながった。

 商品を企画・開発した市原澄子さんは、30代のはじめから、白髪に悩んでいた。1カ月に1度、サロンに通ったり、市販の白髪染めを購入して自宅で染めたりしてきた。しかし、40歳を過ぎると、白髪が増えるにつれて3週間に1回、2週間に1回と頻度があがっていった。

 50歳を前にキャリアアップのため、16年間勤めた化粧品会社から転職。入社からすぐに、おもいがけないミッションが下される。

 新ブランドの立ち上げを任されたのだ。商品開発の経験はあっても、ブランドを新しく立ち上げたことはなかった。重要な仕事に戸惑いはしたものの、覚悟を決めた。

次のページ