さらに5期13年に渡り、理事長の椅子に座り続けた田中英寿・前理事長が、約1億2千万円の収入を申告せず約5千万円を脱税したとして、所得税法違反の罪に問われ、昨年4月に有罪判決が確定した。
そうした事態を受け、現理事長の林氏が昨年7月に就任。記者会見で「大きな改革をしなければならないと思っている」と答えた。
石渡さんは、
「もしかしたら、林理事長は、田中前理事長派から報告を受けなかった可能性もあります。日大には田中前理事長の“支持者”がまだいるはずです。改革しようとする林理事長の足を引っ張ろうとしたと考えても不思議ではありません。これを機に、日大の組織についても徹底検査をしたほうがいいのではないでしょうか」
との見方を示した上で、
「(日大の)ブランドはすでに落ち始めている。今後の適正なメディア対応が問われる」
と話した。
「せっかく立ち直ってきたのに」
日大アメフト部の寮の周辺で今回の件について聞くと、
「びっくりした。これまで騒いだりして、近隣に迷惑をかけるようなこともなかった。コロナ禍ではちゃんとマスクをつけて筋トレもしていたので、周囲への配慮もできている子たちという印象だった。せっかくパワハラの問題から立ち直ってきたのに非常に残念」(40代女性)。
一方、3年以上、寮の前を行き来しているという50代の男性は、
「問題を起こすような印象はなかったが、結局家宅捜索されて、部員が逮捕されている。悪質タックル問題に続いて、またかとおもった」
との見方だ。
近くで飲食店を営む60代の女性は、
「いい子たちです。それ以上、話すことはないです」
と話した。
(AERA dot.編集部・板垣聡旨)