「モリタクB宝館」のボンネットバス専用展示棚がこれだ(写真/森永卓郎)
「モリタクB宝館」のボンネットバス専用展示棚がこれだ(写真/森永卓郎)

 隔週刊「トミカ 歴代名車COLLECTION」は、タカラトミーが厳選した歴代名車を、その詳細を解説したマガジンとともにお届けするシリーズ。スポーツカーからはたらく車まで、毎号付いてくるトミカはオリジナルデザインで、これを集めると、唯一無二のトミカ・コレクションが完成する。

【動画】5号に収録の「いすゞ ボンネットバス」はこちら

 創刊を記念して、マガジン巻末に収録されるリレーコラム「My car, My mini car」をAERAdot.にも配信。「いすゞ ボンネットバス」を取り上げた7月25日発売の5号のコラムは、経済アナリスト・森永卓郎氏による「ボクの好きなボンネットバス」だ。

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 ボクが一番好きなトミカのモデルは、いすゞ ボンネットバスだ。トミカ初期モデル6台のひとつ、フェアレディZ 432がつけていた6番の品番を引き継ぎ、1976年に登場したモデルだ。ボクがトミカコレクションを本格的に再開した年に発売されたので、とても印象に残っている。

 発売当初のホイールは、現在のホットスタンプのものではなく、初期デザインのホイールをつけていた。ただし、それは出荷分のごく一部のロットで、発売当初から新ホイールをつけているものが多かった。

 ボクは、このボンネットバスが、トミカに新しい展開をもたらしたモデルだと考えている。それまでのトミカは、現役の車をモデル化してきた。しかし、ボンネットバスは、懐かしい車をモデル化するという新たな道を切り開いたのだ。

 いすゞ ボンネットバスは、何のギミックもついていないシンプルなモデルだが、そのことがかえってプロポーションの美しさを生み出していると思う。このモデルが多くのファンを獲得していることは、発売から47年も経つというのに、いまだに多くの商品がリリースされていることからもわかる。

 ボクが所有しているボンネットバスは、現在78種類になっている。そこまでバリエーションが増えた理由は、さまざまなモデルが作られているからだ。

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セカンドモデルだったという幸運