「詰め込み」「偏差値」というイメージが強い中学受験。「受験のための勉強は子どもの将来に役に立つの?」「難易度より、子どもを伸ばしてくれる学校を選びたい」といった悩みを抱えている親御さんも増えています。思い切って「偏差値」というものさしから一度離れて、中学受験を考えてみては――。こう提案するのは、探究学習の第一人者である矢萩邦彦さんと、「きょうこ先生」としておなじみのプロ家庭教師・安浪京子さんです。今回は国語の読解についてのご相談です。
【ランキング】偏差値50台で入れて国公立大に強い首都圏の中高一貫校矢萩:お子さんはまだ4年生ですよね。4年生くらいだと、まだ学びの準備段階なので、できる、できないの判断も非常に難しいです。テストだけでは分からない。4年生くらいだと、読書習慣があるほうが、点数を取りやすい傾向はありますが、それが受験における読解力かというと、ちょっと違います。
安浪:算数だったら「公文をやっていると計算は強いよね」といった感じですよね。
矢萩:そうです。じゃあ何をやったらいいのか、という話なんですけども……。まず知ってほしいのは、受験の国語とは何か、ということです。本来、本を読むことって自由なことで、物語や小説文なら、自分なりにどこに感情移入してどう解釈してもいいわけじゃないですか。全員がまったく同じように共感することなんてあり得ない。でもそれが問題として出題されて、模範解答があるのが受験の世界。つまり、入試問題をつくった人がいったいどう読んで、どう答えてほしいのかを推測できるかどうかが受験国語ってことになるんですね。入試問題に使われた作家さんが自分で解いてみたら間違えた、という話があるじゃないですか。そういうものなのです。受験の国語って本来の読解というものとはちょっと乖離しているんだ、ということをおさえておいてほしいです。
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