竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
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「コンビニ百里の道をゆく」は、53歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

【写真】植物由来の代替卵を使ったサンドイッチ「食べ比べ!2種のスクランブルサンド」はこちら


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 環境への負荷の少ないサステナブル(持続可能)な食材として、植物性原料で作った「プラントベース」の食材が注目されているのをご存じでしょうか。


 ローソンでも2017年から、大豆ミートを使ったパスタやおにぎりなどを順次販売してきて、好評をいただきました。それらに続いて7月4日から、植物由来の代替卵を使ったサンドイッチ「食べ比べ!2種のスクランブルサンド」を、関東甲信越エリアにある約4800の店舗で発売しています。


 豆乳加工品ベースからできた卵の代替食品に、ポテト、ハム、きゅうり、玉葱を合わせたサラダ仕立てのサンドイッチ。鶏卵を使用したスクランブルエッグとハム、レタスを挟んだものとセットでの販売です。今回のような規模での代替卵を使った商品は、コンビニ業界で初の試みです。


 背景の一つには、鳥インフルエンザの拡大や飼料高騰などの影響で高止まりする鶏卵価格があります。本来、卵は価格が安定している点や、良質なたんぱく質がとれる点で食品の中でも「優等生」であり、必需品です。


 鶏卵不足は徐々に回復してきていますが、私たちとしてはお客様の生活を持続的に支えるために、チャレンジが必要でした。


植物由来の代替卵を使ったサンドイッチ「食べ比べ!2種のスクランブルサンド」
植物由来の代替卵を使ったサンドイッチ「食べ比べ!2種のスクランブルサンド」

 プラントベースの代替食材で安定した価格をしっかりと実現していくことが、サステナブルの観点から必要となる植物由来の食材をより広めていくことにつながる、という思いもありました。


 植物由来の代替卵と言われても、食わず嫌いの方もいらっしゃるでしょう。そこで今回、通常の鶏卵を使ったサンドイッチと食べ比べができる仕組みにしました。


 ぜひ「面白がって」食べ比べにトライしていただき、「あ、確かに代替卵もおいしいね」と気づく機会になればと考えています。


竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

AERA 2023年7月24日号