新津春子著『世界一清潔な空港の清掃人』(朝日文庫)※Amazonで本の詳細を見る
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 コロナの状況が厳しくなって、動きたくても動けない状態が長く続きました。

 それでも、ただ座っていたわけではありません。空港でしか売っていなかったオリジナルグッズや機内弁当を外で販売させてもらったり、少しでも会社の収益と仕事をつくろうとユーチューブを始めたり。

 どうしよう、どうしよう、と言ってても、誰も助けてくれないんですよ。自分で行動しないと。待っていてもお客様がきてくれないなら、私たちが外へ出れば、きっとまた帰ってきてくれる。そう思ってやったことがないこともやってみたら、みんなのモチベーションが上がって、一体感が生まれたんです。だから、コロナは大変だったけど、悪いことばかりじゃなかったですよ。

 2023年の春を過ぎて、羽田空港は、100パーセントではないけれど、かつての姿を取り戻しつつあります。

 私がいま持っているものは、若いときから教わってきたものです。自分の体に染みついているものを、行動しないで持ったままお墓に持っていっても仕方がありません。

 私の目標は、清掃業界全体をレベルアップすることと、日本の家庭のお掃除をラクにすること。

 私が生きていて、話したこと、行動したことのなかに、たったひとつでも、誰かの記憶に残るものがあれば、それで十分。私はそのために前に進み続けます。

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