あなたのパソコンにも「身代金要求型ウイルス」の危険が迫っている!?(※イメージ写真)
あなたのパソコンにも「身代金要求型ウイルス」の危険が迫っている!?(※イメージ写真)

 一般のユーザーが被害に遭う有名なサイバー犯罪は、いわゆる詐欺サイトやフィッシングサイトだろう。トレンドマイクロの調べ(2014年)によると、不正サイト数は374万サイトで、不正サイトへのアクセスは38億9千万回にものぼっている。多くのメディアで不正サイトの問題は盛んに報じられているが、不正サイトの被害は減らないのだろうか。

 セキュリティー犯罪に詳しい、トレンドマイクロの高橋昌也・シニアスペシャリストは、次のように説明する。

「最近の不正サイトは、SNSの広告などを利用して、消費者をたくみに誘導するケースが増えています。いつも見慣れている広告を装っているので、信用してしまうのです。しかし、こうした広告はSNSとは全く関係ない会社が提供しているケースが多い。また、他人のLINEアカウントを乗っ取り、知人を装って不正サイトを紹介するケースもある。知人の紹介ですから、消費者の警戒心も緩んでしまいます」

 不正サイトやフィッシングサイトを見抜くポイントはいくつかあるという。連絡先のアドレスにフリーメール掲載されている、記載された電話番号にかけてもつながらないといったケースは、不正サイトの疑いが強い。

 一方、スマートフォン向けの危険性はどうか。

「スマホの画面は小さいので、パソコンと比較して表示できる情報も少ない。例えば、パソコンならば、URLが一目瞭然ですが、スマホでは見つけにくい。スマホは手軽である半面、危ないポイントを見逃してしまう可能性が高いのです」(高橋氏)

 さらに、注意すべきパソコンのウイルスも出てきている。それは「身代金要求型ウイルス」である。パソコンにウイルスが進入すると、ファイルやアプリケーションをロック、つまり「パソコンをまともに使えない状態」にしてしまうのだ。さらに、「ロックを外したければお金を払え」と脅迫してくる。「たまに耳にするけど、海外の話でしょ?」と思うなかれ。今年に入って、日本製と思われるウイルスが確認された。もはや“対岸の火事”ではないのだ。

「身代金要求型ウイルスは、ホームページを閲覧したり、メールで送られてくるアドレスをクリックしたりすると感染します。基本的な対策は、意味不明なリンクをクリックしない、よくわからない添付ファイルは開かないこと。ほかにも対策はあります。危険なアドレスか、すぐに診断する無料サイトもあります。また、セキュリティーソフトを最新のバージョンに更新すると被害が防げます」(同)

 近年、ネットワークにつながる端末が増え、ネットワーク経由で受けるサービスも拡大している。セキュリティー犯罪に関するニュースには目を通す、定期的にセキュリティーの設定を見直すといった基本的なメンテナンスを怠ってはいけない。

(ライター・里田実彦)