竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
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「コンビニ百里の道をゆく」は、53歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

【写真】勤続20年以上のクルーさんに贈られる表彰状

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 ローソンでは、店舗で働くアルバイト・パートの皆さんを「クルー」さんと呼んでいます。私たちは今年4月から、勤続20年以上のクルーさんを表彰する取り組みを始めました。

 きっかけはオーナーさんたちや、お店をまわる社員の声でした。
 オーナーの皆さんには普段からエリア会などでお会いして感謝をお伝えする機会があります。

 でも、お店を支えてくださっているのは、長年にわたって勤めてくださっているクルーさんも同じです。

 そういった方々がいないと、お店はここまで長く続いてこなかったんじゃないか、という声をたくさん聞いていました。

 歴史の長い店舗ほど、お客様は常連の方が圧倒的に多い。ベテランのクルーさんほど常連の方のことをよくご存じで、本当にかゆい所に手が届き、それぞれのニーズに合った接客をしてくれる。お客様もクルーさんに会いに来てくれる。そのような店舗もたくさんあるんです。

 そこで、何か本部としても感謝を表すようなことを考えてもらえないかと、多くのオーナーさんたちから、相談を受けました。

 雇用関係のある自分たちから感謝を伝えているけれども、本部から何かしていただけると、みんなも喜びますから、と。

勤続20年以上のクルーさんに贈られる表彰状

 20年以上勤続のクルーさんについて、お店から本部に申請することで表彰する、という仕組みです。

 自社農園ローソンファームの果物といった、副賞もお渡しします。

 20年というと、ローソンが創業48年ですから、半分近くの年月を支えてくださっていることになります。

 これからもクルーの皆さんが生き生きと楽しく働けて、日々やってくださっていることがしっかり評価される仕組みを作っていきます。

竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

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