【※ネタバレ注意】以下の内容には、今後放映予定のアニメ、既刊のコミックスのネタバレが含まれます。
アニメ『鬼滅の刃』刀鍛冶の里編・第6話の放送が終わり、玄弥が風柱・不死川実弥の実弟であることが明らかになった。かつては仲が良かった不死川兄弟であったが、ある事件がきっかけとなって、絶縁状態が続いている。戦闘において天性の才を見せる実弥と比べると、玄弥は自らの才能不足を嘆く。しかし、この玄弥には、他の誰も持っていない「稀有な能力」があったのだ。そして、この特殊能力には、兄と家族にまつわる、玄弥の“特別な思い”が関係していた。
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■不死川実弥の“才能がない”弟
炭治郎らの同期にあたる玄弥は、鬼殺隊入隊試験「最終選別」の時から、暴力的な言動が目立っていた。彼のフルネームは「不死川玄弥」。あの風柱・不死川実弥の実弟だった。玄弥は実弥から「テメェみたいな愚図 俺の弟じゃねえよ」(13巻・115話)と言われており、今は絶縁状態にある。
玄弥は兄に会うために、必死の思いで鬼殺の修行に励んでいた。しかし、玄弥には鬼殺隊剣士として、決定的な欠点がある。
鬼を滅殺するためには、太陽の光を鬼に直接あてるか、陽光の力を含む「日輪刀」で鬼を攻撃するしかない。刀鍛冶の里で作られる「日輪刀」は、太陽の超自然的な力を秘めているだけでなく、持ち主である剣士の「呼吸」と呼ばれる能力に合わせて「色変わり」し、それによって真価を発揮するのだった。しかし、玄弥はこの「呼吸」という技が使えないのだ。
■玄弥にしかない唯一無二の才能
「呼吸」が使えない剣士は、「日輪刀」の効果を十分に発揮させることができない。しかし、玄弥はその代わりに、自分にしかない「特異な才」を使うことに成功する。分裂した半天狗が玄弥に致命傷を与えるが、玄弥はそれに耐えることができる「特殊な肉体」を手にしていた。その一方で、玄弥の身には、外見と感情の面で大きな変化が起こってしまう。
「!? !? !? 玄弥か!? 何だあの姿は まるで…」(竈門炭治郎/13巻・第113話「赫刀」)
炭治郎は「まるで…」の後につづく、「鬼のようだ」という言葉を飲み込んだ。鋭い牙、異様な目、獣のように荒い息づかいの玄弥は、まるで正気を失っているかのように見えた。炭治郎の首を絞めようとする姿は、まさに「鬼」そのものだった。