ミューズのマシュー・ベラミーとドミニク・ハワードが、米ビルボードとのインタビューに応じ、6週間後に開幕する【シミュレーション・セオリー・ワールド・ツアー】のコンセプトや演出などについて語った。
華やかなツアー演出で知られる彼らだが、2015年から16年にかけて行われた【ドローンズ・ワールド・ツアー】では、文字どおりドローンが会場内を飛び回り、テクノロジーを前面に押し出した内容だった。今回のツアーでは「これまでやってきたこととはだいぶ違うことにトライするつもり」とドラマーのドミニク・ハワードは語っている。
2019年2月22日に米ヒューストンからスタートする【シミュレーション・セオリー・ワールド・ツアー】について彼は、「もっと多くの人たちが僕たちと一緒にステージに上がるよ」と明かし、「純粋にテクノロジーだけじゃなくて、ショーにもっと人間味を出したいと思っているんだ。【ドローンズ・ツアー】ではドローンが飛び回ったりしてものすごくテクノロジー重視だった。それはそれでクールだけど、今回は背後の巨大スクリーンに映像を出しまくるような演出から少し離れたいと思っている。どのアーティストもやっていることだし、言うまでもなく僕たちだって何年もやってきたことだからね」と説明している。
彼はさらに、「今回はショーにもっと人間味を出したいと思っているから、パフォーマーをもっと起用して、パフォーマンス・アート的な要素も入れる。ステージ上のライブ・アートのような感じだから、僕たちと一緒に演奏する人もいれば、ほかのことをやる人もいることになる」と語っている。
その一方でヴィジュアル面も重視しているとボーカル/ギタリストのマシュー・ベラミーは語っており、『シミュレーション・セオリー』収録曲のミュージック・ビデオをベースにツアーの視覚的要素を計画していると明かす。「アルバムのためにこれほど多くのビデオを撮影したのは初めてだよ。このアルバムのヴィジュアル・ワールドを作り上げた。ビデオはとても連続性があるから、音楽よりもそっちの方でコンセプトが見える。だから、僕たちと一緒にステージに上がるほかのパフォーマーたちとともに、そのヴィジュアル・ワールドをライブに変換しようと試みるつもりだ」と彼は述べている。
ハワードはさらに、今回のツアーは「もっと明るくてカラフルになる」と付け加えている。「前回のツアーは含意とテーマがすごく暗かった。ドローンが飛び回ってみんなをモニタリングするなど、全てが不穏だった。イメージがかなり暗かった分、今回はもうちょっとカラフルで人間味のあるように感じられると思う」と彼は説明している。
また、『シミュレーション・セオリー』は、部分的にビデオゲームやVRからヒントを得ていることからも、これらの要素をコンサートに取り入れたいとベラミーは語っている。「観客全員にVRヘッドセットを配るのは明らかに難しいよね。でも会場の一部に、僕らのビデオなどのVRヴァージョンを体験できるコーナーを設ける。それがうまく行けば、購入して各家庭のVRシステムで使えるような何かを発売するかもしれない。それは今後のお楽しみってところかな」と彼はコメントしている。
ミューズの『シミュレーション・セオリー』は、2018年11月に米ビルボード・アルバム・チャート“Billboard 200”で初登場12位を記録し、全英チャートでは彼らにとって6回連続のNo.1アルバムとなった。【シミュレーション・セオリー・ワールド・ツアー】は全米/カナダ日程のあとに5月26日からプラハで欧州日程がスタートするほか、9月21日に【シンガポール・グランプリ】、10月6日にブラジルの【ロック・イン・リオ】への出演が決定している。