故プリンス、死亡時に体内から“極めて高い”濃度のフェンタニルが検出
故プリンス、死亡時に体内から“極めて高い”濃度のフェンタニルが検出

 2018年3月26日にAP通信が入手した故プリンスの検死解剖の毒物検査報告書によると、彼の死亡時に体内から“極めて高い”濃度のフェンタニルが検出されていたことが明らかになった。

 プリンスは2016年4月21日に自宅兼スタジオであるペイズリー・パークのエレベーター内で一人で意識を失っている状態で発見された。享年57歳だった。死の6週間後に公開された公的記録によると、死因はヘロインの50倍もの効果がある鎮痛剤オピオイドのフェンタニルの過剰摂取による事故死と断定されていた。

 AP通信が入手した報告書によると、プリンスの血中から検出されたフェンタニルの濃度は1リットルあたり67.8マイクログラムだった。過去の死亡事例の血中濃度は3~58マイクログラムと幅広い。専門家によるとフェンタニルには“致死量”がなく、長期にわたって服用している人には耐性がつくため、ある人の適量が別の人の致死量になる場合がある。

 プリンスの肝臓からは1キロあたり450マイクログラムが検出されており、報告書では過去の事例から肝臓濃度が1キロあたり69マイクログラムを超えると“過剰摂取または致死的な毒性になると考えられる”と結論づけられている。また、胃からも致死的とみられる量が検出された。

 American College of Medical Toxicologyの学長であるチャールズ・マッケイ(Charles McKay)医師は一般的な話として、報告書からはプリンスが鎮痛剤を経口摂取したということと、血中や肝臓の濃度から彼が死亡する前に薬物が体内を巡る時間が多少あったということが考えられるとコメントしている。

 プリンスの死から約1年後に公開された捜査令状によると、彼の自宅のあちこちから様々な容器に入った無数の錠剤が見つかっている。これらの多くがフェンタニルや他の薬物の陽性反応が出たとAP通信が入手した検査報告書に記載されている。