3月末からスタートしたCheeky Paradeの新曲「Shout along!」リリースイベントが、4月30日のららぽーと豊洲にて最終日を迎えた。この日は、去る4月22日に20歳の誕生日を迎えた溝呂木世蘭への生誕サプライズも実行に移されるなど、リリースイベントのファイナルにふさわしい盛り上がりを見せていた。
「Shout along!」リリースイベントでは、よりファンが足を運んでくれるようにと、ららぽーと豊洲での開催をこれまでより多めの3回実施。もっとも、前回は大雨の中というドラマティックな光景を描いていたが、最終日はというと、見事なくらいの晴天。これぞチキ晴れ。ファンだけでなく、買い物客や親子連れなど多くの人たちが、すり鉢状になっているシーサイドデッキメインステージを取り囲んでいた。
この日のセットリストを組んだのはリーダー鈴木友梨耶。第一部では、4月26日発売の新曲「Shout along!」のほかには「Challenger」「Hands up!」「チィキィファイター」を並べ、「Cheeky Paradeは、元々9人なんですけど、実は今、ふたりLAに留学してまして。ちょっと世界を目指していきたいな、なんて思っている、ちょっとね……カッコいい。自分で言うのもなんですけど、カッコいいグループです。」というこの日の発言を体現した、カッコいいパフォーマンスを披露した。
そして迎えたリリースイベントの最後を飾る第二部。来るべきサプライズの瞬間に向けて、ファン有志による“「溝呂木世蘭20歳 生誕記念ツアー」フラッグ”も秘密裏に配布されたこの回は、世蘭の声から始まる「Let's Party!」で幕開け。「生誕サプライズがあるから、パーティーの始まり=『Let's Party!』だな。」なんてぼんやり考えていたファンは、ここではチキパを代表するリケジョ・鈴木友梨耶が編み出した秘密の方程式には気づかない。パーティーの始まり、というだけならば「カラフルスターライト」でも構わない。最後の“ニーハオ・ボンジュール・アロハ SAY ハロー”の歌詞の中に“ドバイ”を紛れ込ませれば、もうそれだけで世蘭スペシャルなのだから。
続く2曲目は「SKY GATE」。“「ARIGATO」「SAYONARA」きみがくれたコトバ”という歌い出しを聞きながら、友梨耶の方程式に気づいたファンもいたかもしれない。『ららぽーと豊洲+「SKY GATE」=赤坂サカスの手袋事件』よりも複雑に思われた問題も、解き明かしてみれば単純明快なことがある。
そうこうしている間に、彼女たちのライブを観覧している人たちは増え続け、「いやいやいや、なんじゃこれ! すごい人!」と、7人は、その観客の多さに数に目を丸くする。「TwitterもLINEも“チキパ”って検索すればすぐ出てくるので、みなさん、“キチンパーティー”でも“チキチキなんちゃら”でもいいので、今日“チキパ”の3文字だけ覚えて帰ってください。」と、友梨耶のMCも饒舌だが、あえて補足を入れるなら、“キチンパーティー”は2016年のエイプリルフールにて、彼女たちが鳥の被り物写真とともに発表した(小生意気で攻撃的ならぬ内弁慶で消極的な)グループ名であり、“チキチキなんちゃら”は彼女たちが隔週水曜日に行なっているSHOWROOMの生配信番組『チキチキパンパン!』である。
ちなみにこの回では、7人全員がおそろいのハーフツインテール姿を披露。「今日はなかなか見分けつかないと思うんですけど、よく見ると(袖の)色が違うので……。」と、友梨耶が衣装を指し示しながら言えば、渡辺亜紗美も「顔も違う。」と、フォローを入れる。本人は“ナイスなナベちゃん”なフォローだと思っていたかもしれないが、しかし、よく見なくても顔が違うのは当たり前であり、むしろ顔が同じグループなんておそ松さんの六つ子くらいなものである。
永井日菜がマシンガンのように言葉とビートを感情に乗せて叩きつけるように始まる「Shout along!」。リリイベラストにふさわしく、関根優那もこれでもかと観客を煽れば、小鷹狩百花の「来い」の切れ味もさらに鋭さを増す。2コーラス目冒頭の世蘭のダウナー系&島崎莉乃のエモーショナル系ラップが地を這えば、友梨耶もメロディーをアレンジしたシャウトで、完璧なまでの「Shout along! 4.30 Live ver.」を提示してみせる。
そしてここでいよいよサプライズが発動する。「Tactics」のイントロが流れると「今日は、世蘭の誕生日ということで、生誕祭ですよー!」と関根優那が声を上げる。当の溝呂木世蘭本人は「聞いてない! 『C.P.U!?』じゃないの?」と、ひとり動揺を隠せないが、誰も彼女にラストが“世蘭曲”「Tactics」であることを言っていない(かつ、「C.P.U!?」だと伝えていた)ので、驚くのも当然といえば当然だ。そして、普段は<戦略考え中>なんて歌う世蘭が、観客から振られる生誕フラッグと、20歳のバースデーを祝した横断幕に見守られ、大きな「世蘭!」コールの中でこの日は策士策に溺れると言わんばかりのサプライズ。最後には「やっぱ優那だなー!」ならぬ「やっぱ世蘭だなー!」で、たくさんのお祝いを受け取った。
そんなサプライズを経て、世蘭は「えー。びっくりしました。『C.P.U!?』って聞いてたの。だから「Shout along!」が終わって、(『C.P.U!?』のイントロの)ピコピコピコって鳴るやつがさ、ピブーって(「Tactics」のイントロに)なって、“また音響間違い?”って。」と、まさかのサラリとスタッフをDisっていく。そんな予想外なリアルサプライズに、今度はメンバー6人がPAスタッフに向けて慌てて平謝り。
そしてここで友梨耶が種明かしをする。「1曲目が『Let's Party!』。世蘭から始まる曲じゃないですか。で、2曲目が『SKY GATE』。<「ARIGATO」「SAYONARA」>って世蘭から始まる曲。そして『Shout along!』のリリースイベントなんで、『Shout along!』を入れて。最後は(世蘭曲の)『Tactics』ということで、世蘭の誕生日にぴったりなセットリストにしてみました。」という解説を受けると、世蘭も「そうだったんだー! 嬉しい。知らなかった。ありがとう。ちょっとセンターになること多いなって思ってたの!」と、喜びと驚きを笑顔に変える。
20歳という人生の節目を迎えたことについて訊かれると「今日でやっと実感しました。気持ちはまだ10代だったんですよ。でも、(ファンが用意した横断幕に)20って書いてあるのを見て、実感しました。」と、コメント。小鷹狩百花が「でもさ、この20って書いてあるところが、今までは15とか16とか17とか。……年いったで。」と、現実を直視させる一言を放って、ファンは苦笑。メンバーは「やめてよ!」と現実を見ることを次々に拒否する。
そして再び世蘭は、20歳の抱負を求められると、「ちっちゃい頃に思い描いていた20歳とは、今、全然違うんですよ。まだ全然子供だし。大人になってないなって気がするから、今年一年で、ひとりでなんでもできるようになりたいです。」と、しっかりした発言を返す。「私、今まで、ひとりでなんでもできるようになりたいって思ったことないよ?」と、22歳の渡辺亜紗美が話しかけると、世蘭は「亜紗美みたいにはならないように頑張りたいと思います。」と、あらためて気を引き締めていた。
なお、Cheeky Paradeは、5月12日に渋谷WOMBLIVEにて、定期ライブ【Cheeky Parade「LIVE LIVE LIVE!」】を開催する。
◎リリース情報
シングル『Shout along!』
2017/04/26 RELEASE
[CD+Blu-ray]
AVCD-39362/B 2160円
[CDシングル]
AVC1-39363 1000円
◎公演情報
【Cheeky Parade「LIVE LIVE LIVE!」追加公演】
5月12日(金)、6月9日(金) 東京 渋谷WOMBLIVE