女流作家カーソン・マッカラーズにインスパイアされたスザンヌ・ヴェガのの最新作『ラヴァー、ビラヴド:ソングス・フロム・アン・イヴニング・ウィズ・カーソン・マッカラーズ』が、2016年10月14日に世界同時リリースされる。
2011年に女流作家カーソン・マッカラーズの生涯をテーマとした、オフ・ブロードウェイ舞台『Carson McCullers Talks About Love』で、カーソン役を演じていたスザンヌ・ヴェガ。カーソンは、アメリカ南部の政治と自身の生い立ちによる人種差別に立ち向かい、20代の前半にニューヨークへ移り、20世紀の文学の光となった人物。代表作は『結婚式のメンバー』で、村上春樹が同作の翻訳を手掛ている。
10代の頃に彼女の短編を読んで以来、彼女を長らく賞賛し、「将来、自分があるキャラクターを演じることがあるなら、それはカーソン・マッカラーズだ」と決意していたスザンヌ。そして、その舞台がきっかけとなり生まれたアルバムが『ラヴァー、ビラヴド:ソングス・フロム・アン・イヴニング・ウィズ・カーソン・マッカラーズ』だ。
アルバムのうち8曲は舞台のコラボレーターであったダンカン・シェイクとの共作、残りの2曲はジャズ・ミュージシャンのマイケル・ジェフリー・スティーヴンスとの共作となっている。今作では二つの歴史的な瞬間にスポットがあてられている。一つ目は『The Heart Is A Lonely Hunter(心は孤独な狩人)』によって名声を得ようとしている時で、二つ目は死の直前に自分の人生や活動を熟考している時だ。収録曲はカーソンの洞察力にとんだ言葉の本質と性別と愛に基づいた先進的な哲学を見事に捉えている。また、カーソンのライティングが持つリリシズム(叙情主義)にも自身の音楽性が反映されており、アルバムの曲の詩と曲の間にある震えるようなダイナミズムをより強化している。
「カーソン・マッカラーズのアイデアや考え方はとてもモダンだった。他の作家ができなかったやり方でそれを具現化した。彼女はそうしたアイデアや考え方と生きようとし、そこに価値を見出していた」とスザンヌは語っている。
アルバムのプロデュースはデヴィッド・ボウイのギタリストで、スザンヌの前作も手掛けたゲリー・レオナルドが担当。ピアノ、ベース、ドラム、アコーディオン、トロンボーン、クラリネットの他、ゲリーのギターもフィーチャーされている。
◎「Harper Lee」音源
https://youtu.be/gHYGqn0Rvig
◎『ラヴァー、ビラヴド:ソングス・フロム・アン・イヴニング・ウィズ・カーソン・マッカラーズ』トラックリスト
01. Carson’s Blues / カーソンズ・ブルース
02. New York Is My Destination / ニューヨーク・イズ・マイ・デスティネーション
03. Instant Of The Hour After / インスタント・オブ・ジ・アワー・アフター
04. We Of Me / ウィー・オブ・ミー
05. Annemarie / アンネマリー
06. 12 Mortal Men / 12 モータル・メン
07. Harper Lee / ハーパー・リー
08. Lover, Beloved / ラヴァー、ビラヴド
09. The Ballad Of Miss Amelia / ザ・バラッド・オブ・ミス・アメリア
10. Carson’s Last Supper / カーソンズ・ラスト・サパー
◎リリース情報
『ラヴァー、ビラヴド:ソングス・フロム・アン・イヴニング・ウィズ・カーソン・マッカラーズ』
スザンヌ・ヴェガ
2016/10/14 RELEASE
2,300円(plus tax)