レッド・ツェッペリンの名曲「天国への階段(Stair To Heaven)」の有名なギターリフが米ロックバンド、スピリット(Spirit)のインスト曲「Taurus」からの盗作だとされた陪審裁判で、ツェッペリン側が勝利した。
6月23日、一週間にわたった宣誓証言と議論の末、陪審員団が評決を下した。公判では、レッド・ツェッペリンのメンバーであるジミー・ペイジとロバート・プラントや、原告であるスピリットのソングライター、ランディ・ウルフの遺産管財人マイケル・スキッドモアが証言を行った。陪審員たちはこの他、スピリットのメンバーや音楽学者ほかの証人、専門家からも、レッド・ツェッペリンが同曲を作る前に「Taurus」を聴いていたのかや両曲が実質的に似ているかどうかなどの意見を聞いた上で判決した。
ランディ・ウルフは生前、この類似点を指摘する人々からの質問に相反する考えを持ち、訴えることをしなかった。1997年に彼が亡くなった後、著作権で保護された音楽の権利所有を主張したスキッドモアが、数十年間何の動きも無かったにも関わらず裁判へと推し進めた形だった。ジミ・ヘンドリックスによって発掘され、1960年代当時まだティーンエイジャーだったランディ・ウルフは出版会社Hollenbeck Musicと(ランディ・カリフォルニア名義で)契約を交わしており、今回の裁判では同社からの協力もない状況だった。
8人のカリフォルニア市民からなる陪審団は、原告側はレッド・ツェッペリンのメンバーが実際に聞いたとする「Taurus」の著作権を所有しているものの、「Taurus」と「天国への階段」の付帯的要素において実体のある類似点は存在しないと判断したのだ。陪審団は判決を出す前、最後に一度両曲を聴いた上で決断したという。
なお、判決後、ペイジとプラントは共同声明を出し、「陪審団の誠実な対応に感謝するとともに、“天国への階段”の起源における疑問を解消し、我々が45年間認識していたことが認められ嬉しく思います」などと述べている。