イケメン評論家というフザけた副職を持っている私のところには、時々仕事の依頼がやってくる。
「イケメンブログ」でほぼ毎日イケメンへの考察を続けている様子が検索に引っかかるのか、『来年売れそうなイケメン俳優は誰だと思いますか』『ワールドカップのイケメン選手を教えてほしい』などと聞かれるのだ。巷ではイケメンブームが依然として続いているのにそれを語れる人は少ないらしい。
そして先日、とあるテレビ局が私とイケメンとの収録を企画してくださった。しかもイケメンを大勢番組で紹介しましょうという。
「出演してくれそうなイケメンはいませんか」と聞かれ、私はすぐさま10人以上の名前を挙げられた。その時、自分が成長したことに気がついた。以前雑誌で「イケメンを数人紹介してください」と言われた時には、何人も連絡をしてやっと捕まえることができたのに。イケメン評論家と自称するようになってはや3年、私はいつのまにか随分多くの彼らと関わってきていたらしい。
いや、正確に言えば、直接イケメンと関われているわけではない。イケメンを支える業界のかたがたとの繋がりが深くなっていた。今回も何人ものかたがイケメン出演に向けてお力を貸してくださった。3年前の私だったら3人も集まらなかっただろう。
石の上にも3年というけれど、イケメン好きだと3年も言い続けると実りを迎えられるようだ。
最近の私は短いものとはいえイケメンのための舞台などの脚本を依頼されるようにもなり、喜んで書き、撮影にも同行している。普通脚本家は撮影や本番には同行しないというが、私はついていく。イケメンさんを間近で見ることができ、しかも彼らは私が書いたシナリオのセリフを喋っているから。
でもシナリオを書いてみると本当に難しい。ただイケメンとひとくくりにするのではなく、演じる人の個性がより際立つような、そんな伸びる作品を書けるよう、毎日努力している。忙しい。忙しいけれどイケメンたちが脚本を楽しみにしてくれているので頑張れる。まだ20分ほどの脚本しか書けないので2011年には2時間ものにも挑戦してみるつもりだ。