旧統一教会に限らず、宗教法人がチャリティーバザーを開き、収益を寄付するのはごく普通のことだという。
「当然のことながら、チャリティーバザー自体は否定できないですし、そこから得た収益金を寄付するという行為も否定できない。宗教法人が刑事処罰を受けているとか、反社会的な団体であるとか、そういった理由がなければ、寄付を受け付けないという選択肢はなかったと思います」(同)
ただ、今後の旧統一教会からの寄付の取り扱いについて水を向けると、「とても難しい、と認識しています」と、舟田さんは答えた。
一方、横浜市は制度にのっとって、淡々と寄付を受けているという。市のホームページには旧統一教会が今年度、「横浜市環境保全基金」に寄付を行ったことが記載されていた(現在は削除、金額は非公表)。
この基金は、広く環境に関する取り組みについて寄付を募るもので、旧統一教会の戸塚家庭教会から直接申し込みがあったと、環境創造局政策課の兵頭輝久課長は証言する。
「申し込みがあったので、通常どおり、納付書をお送りして寄付を納めていただきました。そのような仕組みですので、相手がどのような団体であるか、というところには踏み込んでおりません。昨今の状況があるので、ちょっとどうかな、という気持ちも正直ありますが、寄付の申し出があれば制度に基づいて、事務的に受け付けて、それをホームページに掲載しています」(兵頭課長)
寄付金はダーティーマネー
今回、計11の自治体と社協に取材したが、「コメントできない」といった対応はほとんどなく、いずれの担当者も旧統一教会から寄付を受けた経緯について、できる限り詳細に語ってくれたと感じた。
集まった証言によると、寄付の財源はチャリティーバザーの収益が多く、ほぼすべての自治体と社協は制度に基づき、寄付金を粛々と受領している実態が明らかになった。
「通常の団体と同じように受け付けて、ご寄付をいただき、広報誌にお載せしたということで、それ以上のことでも、以下でもありません」(東京都葛飾区社会福祉協議会の駒井正美次長)