※写真はイメージです(GettyImages)
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 ベストセラーの著者、コロナ、ウクライナ戦争の解説などテレビでの発言……。大学教員は、その知識をメディアに発信することで、社会と大学をつなぐ役割を果たしているとも言える。発信することで研究内容を世に広めるきっかけも生み出す、“スター教授”の多い大学は? 発売中のAERAムック『就職力で選ぶ大学2022』(朝日新聞出版)から紹介する。

【ランキング】「朝まで生テレビ!」出演教員の多い大学

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 高校生が大学教員の存在を知るきっかけは何だろうか。興味を持った分野の入門書を読んだ、という人がいるだろう。しかし、もっとも多いのがテレビ、新聞、雑誌、ネットなどメディアを通じて、初めて大学教員と出会ったということではないだろうか。

メディアへの発信度ランキング(『大学ランキング 2023』より)
メディアへの発信度ランキング(『大学ランキング 2023』より)

 メディアへの発信状況として、話題の新書を著した大学教員を見てみよう。斎藤幸平さんの『人新世の「資本論」』は大ベストセラーになった。経済思想、哲学に造詣が深く、地球温暖化対策についてさまざまな政策提言を行っている。小島庸平さんの『サラ金の歴史』、小林武彦さんの『生物はなぜ死ぬのか』も高い評価を受け、大学入試小論文対策として高校や予備校からおすすめ本として紹介されている。

 彼ら3人はいずれも東京大の教壇に立っており、メディアへの発信度ランキング1位を裏付けてくれる。

「朝まで生テレビ!」出演ランキング(『大学ランキング 2023』より)
「朝まで生テレビ!」出演ランキング(『大学ランキング 2023』より)

 「朝まで生テレビ!」のパネリストから大学教員の存在を知る機会を得ることも多いだろう。日本女子体育大教授の溝口紀子さん、京都大教授の藤井聡さんなどがいる。

学術賞、文化賞ランキング(『大学ランキング 2023』より)
学術賞、文化賞ランキング(『大学ランキング 2023』より)

 学術賞、文化賞受賞者は高度な専門性を有しており、高校生にはなじみがないかもしれない。それでも有名人はいる。石橋湛山賞受賞の宇野重規さんは、2020年に日本学術会議会員への任命を政府から拒否されて話題となった。

■コロナや戦争には専門的な解説が不可欠

 コロナ禍において、私たちはどうしたらいいか。感染拡大防止の注意を促してくれるのも、専門家の大学教員が多い。難しい専門分野をわかりやすく解きほぐし、わたしたちの命と安全を守るために尽力してくれている。

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スター教授の役割とは