気圧の傾きが緩み、寒気の吹き出しによる季節風も弱まった今月18日。北海道・日本海沿岸の余市沖で、船でのソイ釣りにチャレンジしてみました。

余市沖から小樽方向を望む(2018年1月18日) 撮影:日本気象協会北海道支社 佐藤雅義
余市沖から小樽方向を望む(2018年1月18日) 撮影:日本気象協会北海道支社 佐藤雅義

☆一時的に静かになった海☆

強い冬型の気圧配置や上空の強い寒気の影響により、風が強く、波の高い日が続く北海道沿岸。ただ、この日の北海道は日本海北部と関東沖の低気圧の間に入り、一時的ですが風や沿岸の波がややおさまりました。このタイミングを逃すのは非常に勿体ないので、夜勤前の日中でしたが(笑)早朝から船に乗らせてもらいました。
今日の仕掛けは一般的な胴付きと呼ばれる5~8本の針がついた仕掛けにオオナゴ(正式名はイカナゴ)を付け、アタリを待つ釣法で挑戦です。

船上での釣り竿など(2018年1月18日) 撮影:日本気象協会北海道支社 佐藤雅義
船上での釣り竿など(2018年1月18日) 撮影:日本気象協会北海道支社 佐藤雅義

今回挑戦した余市沖周辺の海は夏から初冬にかけて大型のヒラメを狙うことができるので、週末などには札幌や小樽などから集まる釣り人を乗せた釣り船が多数集結します。ただ、表面水温が5度前後まで下がるこの時期、ヒラメは水深50m以上の深い海域に移動し、あまり活発な動きもとらなくなるようです。したがって冬は今回のようなソイをメインとした釣りが多くなるのですが、冬の日本海は季節風の影響で時化が多くなり、出港できる日が限られるのが難点です。
そうこうしているうちに散発ながらアタリがあり、船上に引き上げると本日の本命であるマゾイが釣れました。正式名はキツネメバル。数あるソイの仲間の中でも最も美味とされるソイで、釣り人にも非常に人気のある魚です。お腹の中で卵が孵化し、仔魚(しぎょ)を「出産」する卵胎生魚で、北海道周辺では5~6月頃に出産時期を迎えます。

マゾイ(2018年1月18日) 撮影:日本気象協会北海道支社 佐藤雅義
マゾイ(2018年1月18日) 撮影:日本気象協会北海道支社 佐藤雅義

続いて、黄色と黒色の横縞模様が特徴のシマゾイが上がりました。黄色がかった魚体が釣り人の間でも人気のあるソイの仲間です。このソイは北海道の沿岸に多いとされており、本州方面ではあまりなじみがないかもしれませんが、刺身や煮付けなどにすると美味しくいただけます。頭などのアラを使った出汁も絶品です。

シマゾイ(2018年1月18日) 撮影:日本気象協会北海道支社 佐藤雅義
シマゾイ(2018年1月18日) 撮影:日本気象協会北海道支社 佐藤雅義

☆満足な釣果☆

実際の釣り時間は3時間程度でしたが、その他にガヤ(エゾメバル)やホッケ、ギスカジカ(正式名はツマグロカジカ)なども釣れ、40cm近い大型のソイを含め、全部で20匹を超える釣果となり、満足できる釣行となりました。このソイ釣りは例年なら2月中頃まで楽しめるとのことです。寒さ厳しい冬の北海道ですが、機会があれば是非チャレンジして頂きたい釣りの一つです。
最後に、気になる今後の北海道の天気ですが、月末31日までは冬型の気圧配置となり、日本海側などで広く雪が降るでしょう。沿岸の波も高くなりそうです。2月のスタートは気圧の谷の中に入りそうな北海道。1日には本州南岸を低気圧が通過することが見込まれ、関東甲信などでの降雪が心配されるところですが、2日から3日は北海道付近の気圧の傾きや上空の寒気がともにやや緩みそうです。4日の日曜日には低気圧がやや発達しながら北海道付近を通過しそうですので、釣りのチャンスは2日から3日となりそうです。
なお、海上では非常に寒く感じられることが多いと思いますので、万全な防寒対策をオススメします。

全体の釣果(2018年1月18日) 撮影:日本気象協会北海道支社 佐藤雅義
全体の釣果(2018年1月18日) 撮影:日本気象協会北海道支社 佐藤雅義