ビデオフィルム配給会社ETD(イースト・テキサス・ディストリビューティング)の創立者兼前社長であるロン・アイゼンバーグ(73歳)が、10月31日 ヒューストンの自宅で死去。訃報を受け、オンラインDVDレンタル Netflix(ネットフリックス)のコンテンツ責任者 テッド・サランドスが、米ビルボード誌に追悼の記事を寄せている。
アイゼンバーグは“物事は簡潔に”というタイプの重役だった。いいアイディアなら、多分やってみる価値はある。もし上手く行かなければ、切り上げて前に進む。そんな彼の優れたアイデアのひとつが、ビデオ・レンタル業の設立につながった。ETDは1970年代終わり頃、試験的に映画のビデオを100ドルで販売するようになったが、すぐにレンタルの方がいいと考えた。
おかげで自宅で映画を見ることが身近なものとなり、ETDも1994年までにスーパー、会員制ディスカウントショップ、ビデオショップで10億ドル以上の販売実績を記録。国内レンタルビジネスの実に3分の1を支配していた。しかし、2001年にETDはビデオ部門から撤退、数年後にはアイゼンバーグも引退した。
サランドスはホームビデオがまだ毎年60~70%の伸びを示している90年代初めにETDの業務に就き、アイゼンバーグからビジネスの師事を仰いだ。ETDに在籍したのは15年以上前だったが、アイゼンバーグの人柄、洞察力、ユーモアは現在も自分の一部になっているという。しかし、一方で日常や仕事の忙しさにまぎれて、直接十分な感謝を伝え切れなかったと、後悔の念も記している。