Googleのサブスクリプション・サービス“Google Play Music All Access”に10月21日、新機能が登場した。同社が7月に買収したインターネットラジオ、Songzaの技術を応用し、アクティビティベース(行動をもとにした)のラジオ局となった。

 Google Play Musicのプロダクト・マネージャーであるブランドン・ビリンスキとエライアス・ロマン(元Songza最高経営責任者)が綴ったGoogleのブログ記事によると、同アクティビティベースのラジオ局におけるリコメンデーション機能が同日、アメリカ、カナダにてWebのほか、アンドロイドとiOSアプリで利用可能になったという。基本的にGoogle Play Musicのホームページとなっているリニューアル版の“Listen Now”ページは、同サービスの対象となる全45か国で利用可能で、アンドロイド、iOS、Webでも利用できるそうだ。

 Songzaはインターネットラジオにユニークなものをもたらした。2012年3月に始めた“Music Concierge(音楽管理人)”機能では、ユーザーは1日の時間と行動をもとに音楽を選ぶことができる。たとえば、火曜日の朝のアクティビティベースの音楽カテゴリーには、ダンスやビートに乗る様々なプレイリスト“Working to a Beat(ビートに乗って働く)”や、自然の音からソフトポップのヒット曲までのプレイリスト“Keeping Calm & Mellow(いつも静かで穏やかに)”などがあるのだ。こういった行動をもとにしたアプローチは、後にiHeartRadioとSlackerが模倣し、Beats Musicが採用した。

 Googleが強力なインターネットラジオ・サービスで出遅れるなか、ライバルのオンデマンド・サービス各社はラジオ・サービスを強化してきた。同様のアクティビティベースのプレイリストを提供するSpotifyは、2012年6月から無料のモバイル・ラジオ・サービスを提供している。また、Beats Musicは1月にSongzaのMusic Conciergeが変化した“Sentence”を採用。Rdioは9月に広告モデルの無料インターネットラジオを開始した。

 Google Play Musicはオンデマンドの定額制使い放題サービスのため、Music Concierge機能はSongzaのような一方向サービスで提供できるものを超える。ユーザーは音楽ステーションをダウンロードしてオフラインでも聴けるほか、次に流れる曲を見られたり、プレイリストを編集することも可能。また、ミックス中の曲をもとに新しいステーションの再生を始めることもできるのだ。