広島・森翔平(写真提供・広島カープ)
広島・森翔平(写真提供・広島カープ)

■2位:桐敷拓馬(阪神・投手・2021年ドラフト3位)

 新潟医療福祉大では完全試合も達成したサウスポー。ルーキーイヤーの今年は開幕一軍入りも果たした。一軍では7試合に登板して防御率5点台と目立った成績を残すことはできなかったが、二軍では13試合で6勝1敗、防御率0.72と圧倒的な成績を残している。本格派サウスポーながら制球力が高く、右打者でも左打者でも腕を振って内角に速いボールを投げ込むことができるのが大きな持ち味だ。スライダー、ツーシームと対になるボールも上手く操り、投球術にもたけている。制球力を維持したまま、ストレートの出力を高く維持することができれば、十分に一軍の戦力となる可能性は高いだろう。

■1位:井上温大(巨人・投手・2019年ドラフト4位)

 甲子園出場はなかったものの、前橋商時代から注目を集めていた左腕。プロ2年目の昨年は二軍で開幕投手も任せられている。その後は肘の故障で一度育成契約となったが、今年7月に支配下に復帰。シーズン終盤には一軍でも先発を任され、9月23日の中日戦ではプロ初勝利をマークした。高校時代からフォームの良さには定評があったが、プロ入り後に体力強化が進んだことでストレートは150キロをマークするまでにスピードアップ。打者の手元で鋭く変化するスライダーも面白い。スライダー以外に頼れるボールをマスターできるかが課題となるが、新たに就任する阿波野秀幸投手チーフコーチも評論家時代に楽しみな選手と語っているだけに、一気に一軍ローテーション入りを目指したい。

(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文 1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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