黒だとコントラストが強すぎるというときにおすすめなのは、チャコールグレー。チャコール(木炭)っぽい、つまり黒っぽいグレーのことだ。春夏ならライトグレー。チャコールでもライトでもネイビーや黒、ブラウンはもちろん、赤やブルー、イエローなどの色物とも合わせやすい。石橋さんに言わせれば、グレーは「万能」な色だ。
そして、黒やグレーが中心のモノトーンのコーディネートを引き立ててくれるのが、アクセントカラー。靴やバッグに使うのがいい。
「カラーの足元は最強アイテム。ベルトに色物も素敵ですよ。小粋に見えます」
写真では、赤いサンダルがコーデのポイント。面積が小さくても、存在感は抜群だ。
<その5> スカート丈のポイントはふくらはぎにあり
お気に入りのスカートなのに、着ると脚が太く見える。女性なら、誰しもこんな経験をしたことがあるのでは。スカートの裾がちょうどひざの真ん中だったり、ふくらはぎの半分あたりに来たりすると、どうしても足が太く見えてしまうので、膝とふくらはぎは「出すなら出す、出さないなら出さない」が石橋さんのルールだ。
ミモレ丈の場合、ふくらはぎの下くらいの長さがいいので、ちょっと長すぎるという場合はウエストで一折する。マキシ丈のロングスカートなら、前スリットがあると足さばきもよく、女性らしさが出る。
石橋さんが「背が低くてよかった」と思える場面の一つが、ロングスカートが「いい感じ」に長くなるとき。ワンサイズ上を選んで、あえて長さを出すこともある。ワンピースも、たっぷり丈があるとエレガントな印象になる。
ここまでご紹介してきた石橋さんの5つのルール、「そんなに難しくない」と思った人は多いのでは。ディレクターを務める「Lazo_N33°(ラソ エヌ サーティースリー ディグリーズ)」は、大人がずっと着ていられるシンプルな服、自身が着たいと思える服を作りたくて立ち上げたブランドだ。いま、ファッションの仕事ができるのが本当にうれしい、と石橋さん。11月7日には、初の著書『アンダー153cm、60歳。カッコよく着こなす大人コーデ』も上梓する。
本には、ここで上げた5つのルール以外にも、石橋さんがたどり着いた「大人カジュアル」のコツが写真と共に数多く収められている。
(構成 生活・文化編集部 端 香里/写真 赤司憲壕 abc pictures、北原千恵美)