とくに普通のカジュアル服を着ようと思っても、そもそもSサイズを売っていなかったり、Sがあっても身長170センチでちょうどいいサイズだったり。「そんな服の悩みが、低身長のコンプレックスにつながっている例は少なくなかった。ただここ数年は、低身長を売りにするインフルエンサーが登場するなど、低身長をポジティブに捉える動きも、少しずつ出てきています」(林さん)

 もう一社、10~20代の若い層に向けた、身長168センチ以下のメンズファッションブランドを展開する「UNITED ANTS(ユナイテッド・アンツ)」の大谷成さんはこう話す。

「2020年のオープン時に行ったアンケートでは、低身長のプラス面として『彼女と同じ服を共有できる』ことなどを挙げる人もいました。ただし、自身の低身長をネガティブに捉える人は若い層でも多い。だからこそ自分に合った服を見つけようと努力するオシャレな人も多いと思いますよ」

 ちなみに低身長の男性が服を選ぶ極意は、

「ジャストサイズの服を選ぶことが何より大事。また下半身にダークな色のパンツを持ってくると、足を長く見せるのに一役買うことも多いです」(「Retropics」林さん)

「厚底靴より、合っているサイズの服を選ぶことをおすすめしています。パンツの丈はもちろん、トップスの着丈も、ポイントになりますね」(「UNITED ANTS」大谷さん)

 ちなみにうちの夫は、身長180センチの白髪頭だが、タワマンの上層階の景色と一緒で、毎日見ていれば「長身がすてき……」とため息をつくなんて、ありえないわけで。上空からの“頭よしよし”より、皿を1枚でも洗ってくれる人のほうがずっと好き。低身長男性の逆襲、あるかも?(福光恵)