米国最大手の電話会社AT&Tが、月額15ドルで家族5人まで無制限のストリーミングと楽曲ダウンロードができるサービスの開始を発表した。

 2人しか利用しないとしても安価なこのサービスは、同社の携帯電話を使用する家族の音楽サービス利用料を引き下げるのが狙いで、2012年にストリーミングサービスMOGを買収したヘッドフォンメーカーである親会社 ビーツ・エレクトロニクス社による戦略の一環だ。

 ビーツ社はヒップホップ界の大物 Dr.ドレーと、音楽業界の実業家 ジミー・アイオヴィンが後押ししており、人為的に選んだプレイリストやレコメンデーションに重点を置いている点は違っても、MOGの方針に沿って稼働している。

 同社のCEO イアン・ロジャースは、できるだけ幅広い視聴者に行き着くためにはヘッドフォンとの抱き合わせを直ちに行うよりも、AT&Tでのサービスから始める決断をしたとコメント。一方、AT&Tの最高マーケティング責任者 デビッド・クリストファーは、ビーツ・ミュージックを選んだのはアイオヴィンやヘッドフォンブランドとの長期にわたる付き合いがあるからで、「我々は、どうしたら会員制音楽サービスの競争を変えられるかという共通のビジョンを持っていたのだ」と語っている。