サイン会当日は、遠くタイより駆けつけ翻訳アプリを駆使するファンや、若い愛読者も多かったという(撮影/原 真紀子 朝日新聞出版)
サイン会当日は、遠くタイより駆けつけ翻訳アプリを駆使するファンや、若い愛読者も多かったという(撮影/原 真紀子 朝日新聞出版)
この記事の写真をすべて見る

  紀伊國屋書店新宿本店で2月23日、ホラー漫画家で、『富江』『うずまき』『首吊り気球』などの代表作がある伊藤潤二さんが、サイン会を行った。 

【写真】怖くない?サインは意外と…

 これは、2月21日に発売した自身の漫画や創作について書いた『不気味の穴 恐怖が生まれ出るところ』(朝日新聞出版)にともなうものだが、当日は高倍率の抽選に当たった100人がサインを手にした。

■アメリカ、フランス、台湾、高まる海外での評価

 伊藤さんといえば、1月から Netflixで世界に配信されている「伊藤潤二『マニアック』」が日本でも話題だが、近年は海外での活躍が目立つ。

 2019年に『伊藤潤二傑作選10 フランケンシュタイン』の英語版が米国のアイズナー賞「最優秀コミカライズ作品賞」を受賞したのを皮切りに、2022年までに4度受賞。また23年1月に、フランス西部アングレームで開かれた第50回アングレーム国際漫画祭で、「特別栄誉賞」を授与されたばかり。

 サイン会当日は、遠くタイより駆けつけ翻訳アプリを駆使するファンや若い愛読者もおり、ファン層の広さを見せつけた。

 「ホラーは苦手でしたが、伊藤さんの作品で好きになりました」というファンも多く、伊藤さんは「私の本がきっかけで、ホラー漫画に興味をもっていただけるのは嬉しい」と述べた。

■日本のホラーには、独特の怖さがある

 かつて2000年前後には、鈴木光司さん原作『リング』『らせん』や、清水崇監督の『呪怨』シリーズなど、ジャパニーズホラーが席巻し、世界へ輸出された。

 日本のホラーには、独特の怖さがあると言われる。世界がその「独特な世界観」を評価するなか、再び日本でも「ホラーブーム」がくるか、今後が楽しみだ。

(取材・文/高橋和記 朝日新聞出版)

ファン垂涎!伊藤潤二先生のサイン。1冊1冊、丁寧に書き進めていく(撮影/原 真紀子 朝日新聞出版)
ファン垂涎!伊藤潤二先生のサイン。1冊1冊、丁寧に書き進めていく(撮影/原 真紀子 朝日新聞出版)

 【「不気味と美のすべて」伊藤潤二書籍刊行記念フェア/紀伊國屋書店新宿本店】

開催期間:2月28日(火)まで

開催場所:MANGA selection

営業時間:10:30~19:00

※購入特典:伊藤潤二書籍刊行記念フェア にて対象商品(グッズ・書籍)を税込み2,000円以上ご購入の際に紀伊國屋書店新宿本店限定『不気味の穴 恐怖が生まれ出るところ』クリアファイルを1枚プレゼント!