ウィル・アイ・アムとファレル・ウィリアムスの商標における法廷争いが妙な展開になってきた。
ウィル・アイ・アムが、ファレルの使用しているロゴが自身の“I AM”トレードマークの商品と酷似していると訴えたのに対し、ファレルのブランド“i am OTHER”は今年7月、ニューヨーク連邦裁判所に商標の侵害はないという法的判断を求めた。またこれに、ウィル・アイ・アムは“消費者を混乱させる”と反訴に出たのだが、ここまでは驚くにあたらない。
しかし興味深いのは、ウィル・アイ・アム側が知的財産の面におけるファレルのこれまでの経歴を掘り起こしている点だ。法的文書には「(ファレル・)ウィリアムス氏と原告が他社と驚くほど類似した商標やロゴ、商号を取り入れたのは、今回が初めてではない」と記載されており、ウィル・アイ・アムの弁護士は以下のようにいくつか具体例を挙げている。
ウィリアムス氏は“STAR TRAK ENTERTAINMENT”というレコードレーベルを共同設立したとしているが、同レーベル名はパラマウント映画社が所有する有名な“STAR TREK”と酷似している。
また他の例では、ウィリアムス氏が様々なグッズやサービスなどに使用し、登録しようとした“PINK SLIME”というロゴは、マテル社が何十年にもわたり使用し、所有している“SLIME”に著しく似ている。
さらに、原告のウィリアムス氏は最近、マーヴィン・ゲイの相続人とBMIを相手に、自身の曲が著作権を侵害していないという確認判決訴訟を起こしている。言い換えれば、マーヴィン・ゲイの曲を侵害しているとされるウィリアムス氏が先制して訴訟を起こしたのだ。
特に3つ目の例はかなり興味深い。ウィル・アイ・アムとファレル・ウィリアムスによる同裁判の今後の展開が気になるところだ。