2パックの母親アフェニ・シャクールが、亡き息子の作品利用において110万ドル(約1億円)以上のロイヤリティを要求している。彼女はトゥパック・シャクールの財産の共同管理者として9月25日、デス・ロウ・レコードのカタログを今年初旬に購入したとされるエンターテインメント・ワン(E1)を相手に、ロサンゼルス上位裁判所にて訴訟を起こした。
同訴訟はデス・ロウ・レーベル絡みのごたごたにおける最新案件だ。
1990年代の最も偉大なヒップ・ホップ・スターのひとりだった2パックは、1995年にデス・ロウ・レーベルと契約したが、その1年後、ラスベガスでのボクシングの試合会場で撃たれ死亡した。
同訴訟によると、2パックの遺産管理者は1997年にデス・ロウ、および同管理者による未発表のマスター音源と映像素材の独占的所有権を認めていた当時のディストリビューター、インタースコープ・レコードと和解しており、“アルバム1枚に値する”素材を提供されたデス・ロウからは、以降にリリースされる2パック作品におけるロイヤリティを受け取ることになっていたようだ。
デス・ロウは、未発表素材の物質的所有権があるとされていたものの、同訴訟では“権利の帰属は無い”としている。
2003年には、デス・ロウはE1の前身であったコッホ・エンターテインメントと、2パックの3枚のアルバムについての独占ディストリビューターとして合意したと言われている。コッホはロイヤリティを報告し、支払うことになっていた。
その3年後、デス・ロウは破産を申し立て、新たな企業所有の下、姿を現した。初めはWideAwake Death Row Entertainmentという新会社だったが、シャクール裁判の被告人となり、今はE1となっている。彼らは十分なロイヤリティの支払いを行なわないため、契約および誠実かつ公正な取引違反の罪で告発された。
なお、注目すべきは、原告の法的代理人だ。シャクールの代理をする事務所“King, Holmes, Paterno & Berliner, LLP”は、ヒップ・ホップ・スターであるDr.ドレーの作品をめぐる別の訴訟でも代理人を務め争った。
今年初旬のE1の会計報告書によると、同社は“アイコン的音楽ライブラリー資産”と呼ばれるものを得るために、およそ2億8000万ドル(約276億円)を使っている。本件に関する同社からの返答はまだ無い。