「コンビニ百里の道をゆく」は、50歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
【写真】54個の量子ビットが収められた量子コンピューター「シカモア」
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米Googleが研究中の量子コンピューターを使えば、現在のスーパーコンピューターで1万年かかる計算が200秒でできると発表され、ビッグデータの解析などへの活用に期待が高まっています。
ITの発展はすさまじく、のんびりしているとすぐに置いていかれてしまいます。量子計算もプログラミングも一見、「それは専門家の話」としてしまいがちですが、今の世の中信じられないスピードで未来が現実になります。どんな分野のことも、自分ごととして深く勉強していかなければ、あっという間に取り残されてしまいます。
アインシュタインの言葉で、「同じことを繰り返し行い、違う結果を期待することは狂気である」というものがあります。新しいことを学ばなければ、実際には同じことを繰り返しているのに、自分では「違うことをやっている」と勘違いするものです。自己研鑽も含め勉強することで、未来の展望も見えてきます。そこで得た気づきが、公私での新しいチャレンジにつながっていくのです。
セミナーに参加するのもよし、本を読んだり、一流の芸術やスポーツに触れたりしてインスパイアされることも大事です。そして学んだり感じたりしたことを即実行!
今年からローソンでは、「働きがい改革」を掲げています。働きがいを得るためにも自らが充実した時間を過ごし、成長していると実感することが大事だと考えています。
一人ひとりの成長が新しいチャレンジにつながっていく。「加盟店のみなさんとともに成長を実感するときに働きがいを感じる」と社員も言います。私たちのビジネスでは、加盟店、本部の双方が成長していかなければ未来はありませんし、社会にも貢献できません。
私自身もまだまだ勉強を重ねてチャレンジを続け、成長したいと思っています。
※AERA 2019年12月2日号