竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
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何事も挑戦。初日の出を拝むと、頑張る力がわいてきます
何事も挑戦。初日の出を拝むと、頑張る力がわいてきます

「コンビニ百里の道をゆく」は、50歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

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 今年もあと2カ月ほど。ローソンでは、2020年の元日前後に加盟店約100店舗と共に休業実験をすることを計画しています。

 コンビニといえば、24時間どこでも同じサービスを受けられることが一般的です。

 先日、加盟店の方々と討議する機会があり、元日休業について尋ねてみました。「お店の従業員全員が休める日があってもいい」「オフィス街の店舗はお客さまが来られないので休んでもいいのでは」という声をいただきました。

 お店が密集しているところでは、お客さまの利便性を考慮して、開ける店と休む店を分けて、営業中の店舗にお客さまを誘導してはどうか、という意見もありました。

 一方、売り上げ的な面から休むことへの不安を感じる方や、「毎日お越しになる常連のお客さまがいらっしゃるので、元日も開けておきたい」というオーナーの方もいらっしゃいました。

 ロケーションに合わせて色々と考えてみたいと思っています。また、今回の結果を見て、来年のやり方も加盟店のみなさんと相談したいと思っています。

 お客さまからお叱りがあるのでは、という懸念もありますが、コンビニ業界を取り巻く環境も随分と変わり、世の中にも受け入れてもらえるのではとも感じています。

 実際、「年賀状が買えなくなる」という声もいただきました。ご迷惑を最小限にするべく、事前にお客さまに丁寧に休業時間についてお伝えするなど、しっかりと対応していきます。

 アイデアが出たなら、まずやってみること。結果を検証して初めて正しい判断ができる。省人化を狙った無人店舗実験もその一つです。

 業界が大きく変化しているからこそ、加盟店のみなさんと一緒になって、最適な商売の仕方を見つけていきたいと思っています。

AERA 2019年11月4日号