経験を積むほど自分を客観視できるようになるけど、その瞬間に集中して役として生きることが難しくなる。そこから先は、もう、技術でしかないです。

 言ってることとやってることが合ってないんですけど……やるしかないです。かっこいいことを言ってもやれてなかったらしょうがない。自分に言い聞かせているところもあります。

 役として生きる毎日の中で、素の中川大志に戻る瞬間はあるのか。「本来は逆じゃないといけないと思うんですよね」と語る。

中川:役者は、役のために人生を生きるんじゃなくて、自分の人生を生きるからこそ役を演じられる。自分が何に怒り、何に悲しみ、何に笑うのかが大事。できるだけいろいろな職業の人と会って、話す時間を大事にしています。マイペースに、自分に嘘をつかずに生きていきたいです。

(ライター・市岡ひかり

AERA 2019年10月14日号

暮らしとモノ班 for promotion
携帯トイレと簡易トイレの違いってわかる?3タイプの使い分けと購入カタログ