その樹木図鑑を書かれた著者のエッセーがきっかけで、彼がインターネットで樹木鑑定サイトを運営していることを知ったのです。
(よしっ、ダメ元で鑑定依頼を出してみよう)
サイトの掲示板は木の名前を知りたい人と、教えてあげたい親切な人で大変賑わっている様子がうかがえました。
私は葉っぱと樹木の様子がわかる写真数枚を掲示板に載せ、早速鑑定依頼を出しました。
すると、ほどなくして常連の方から返事があり、あっという間に問題が解決してしまったのです。
「あの細長い葉っぱ、ついに名前がわかったで!ホソバイヌビワって言うんやって」
もちろんその週末の授業は調査結果の報告から始めることにしました。
「えっ、どうやって調べたん!?」
これまでの経緯を話すと、子どもたちは興味深そうに聴き入ります。ずっと気になっていた謎が解けて、みんなとても嬉しそうです。
このように私自身も調査隊の一員として樹木の同定に夢中になり、プロジェクトは順調に進んでいきました。
残すは本プロジェクトの最終成果物となる「葉っぱマップ」の製作のみです。
※AERAオンライン限定記事
○山田洋文(やまだ・ひろふみ)/1975年生まれ、京都府出身。教育家。神戸大学経済学部卒。独立系SIerのシステムエンジニアを経て、オルタナティブスクール教員に。2016年4月、京都市内でプロジェクト学習に特化した探究塾の探究堂(http://tanqdo.jp/)を開校。探究堂代表、認定NPO法人東京コミュニティスクール理事。