「フロッタージュ」は本物の葉っぱにそっくり!
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「押し葉」にも挑戦。うまくできたかな
「押し葉」にも挑戦。うまくできたかな

「『葉っぱ』という言葉を聞いて思いついたことを教えてくれへん?」

【写真】「押し葉」にも挑戦! うまくできたかな?

 夏休み明けから始まるプロジェクトを心待ちにしていたたくらみ低学年(小学1・2年生)クラスの子どもたちに問いかけます。

 身近にあって見慣れたものでありながら、普段はあまり意識することがない樹木の葉っぱ。今回のプロジェクトでは、その葉っぱを注意深く観察、調査していきます。

「葉っぱにはいろいろな形がある!」

 いつも元気いっぱいな小2のS君が真っ先に手を挙げて答えてくれました。この発言を皮切りに、次々に意見が出てきます。

「季節によって色が変わんねんで」

「そうそう」と全員がうなずいていたので、彼らのイメージする季節ごとの色を確認してみることに。

 それらをまとめた結果が以下の通りです。

・春:黄緑、緑
・夏:濃い緑
・秋:赤、黄、ちょっと緑
・冬:茶、黒

 緑一つとっても、その色合いの違いを何とか表現しようという思いが感じられます。

「秋や冬の葉っぱって、やぶけやすいよね」

「枯れかけで水分が減ってるからとちゃう?」

 五感で得た情報と自分が持つ知識をつなげて、想像を働かせます。

 冬に葉っぱが枯れて落ちてしまう木とそうでない木が存在することも子どもたちは知っているようです。

 出てきた意見の中には、葉っぱそのものではなく、そこにとまった虫に注目したものもありました。

 葉っぱでアリを見かけるのは、アブラムシがおしりから出す甘い蜜が目当てだとのこと。その代わりに、アリはアブラムシの天敵であるテントウムシを追い払う役目を果たしていると言うのです。

 ただ、これらの虫が葉っぱを食べているかどうかまではよくわかりません。

「僕ん家の庭の木が黒カビ病になって、葉っぱが黒くなっちゃってん……」

 小2のT君の実体験を聞くと、樹木も人間と同じく生きていることを改めて実感します。

 テーマに関する既有知識の確認を終える頃には、子どもたちの「早く葉っぱを拾いに行きたい!」という思いが最高潮に達していました。

 そのはやる気持ちをおさえて、葉っぱ採集における心構えとルールを説明する時間を取りました。

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山田洋文

山田洋文

山田洋文(やまだ・ひろふみ)/1975年生まれ、京都府出身。教育家。神戸大学経済学部卒。独立系SIerのシステムエンジニアを経て、オルタナティブスクール教員に。2016年4月、京都市内でプロジェクト学習に特化した探究塾の探究堂(http://tanqdo.jp/)を開校。探究堂代表、認定NPO法人東京コミュニティスクール理事。

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