ショートプログラムを終えて
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  今シーズン負けなしの宇野昌磨(トヨタ自動車)が、底力を見せた。

【写真】心なしか不安げな表情…公式練習での宇野昌磨

4年ぶり日本開催となるフィギュアスケート世界選手権(さいたまスーパーアリーナ)。23日夜には注目の男子シングルのショートプログラムが行われた。宇野にとっては7度目の出場。昨年は6度目の挑戦で悲願の優勝。実は朝の時点では緊張していたと明かしたが、ショートプログラムでは圧巻の演技で、連覇への期待が高まる。

 演技後の囲み取材での主なやりとりは以下の通り。

――振り返って。

 決して本当に完璧なショートプログラムではありませんでしたが、まぁあのジャンプに限らず、(レベルはちょこちょこと落としたと思いますが)久々に状態が悪いのもあって、感情を試合にぶつけるようなちょっといつもよりさぁ頑張るぞという気持で臨んだので、その分、嬉しさがこみあげてきたのかもしれません。

――心配された右足の状態はどうか。

 ひねった直後はやばいな、って思ったのですけど、いろんなサポートや運の良さや、予防をしていたのもあったので、想像よりはるかに少ない支障で、朝の練習ももちろん探り探りでやっていたんですけど。状態が悪いからといって何か救済があるわけではないですし、悪いから何か自分にとってプラスになることがあるわけではないので、今の自分で何ができるのか、フリップが痛くでてきないのであれば他のジャンプを、と。でもできそうならフリップを考えてみたり。過去に直前に変えたジャンプで成功した例があまり少ないので、これはフリップで行こうと思いましたし。6分間やった感じもいつも通りになってきていたので。演技中は右足の支障というのはまったくなく滑ることができました。

――昨日の囲みで「今年一ひどい状態」と言っていた。そして負傷もあった。逆境に強い宇野昌磨。そんななかで今年一シーズンベスト更新をどうとらえているか。

 逆境に強いかはわからないんですが、ただこういう経験も過去には沢山してきましたし、こういう痛い中での練習っていうのも、当初は絶対そんな練習身のためにならないと思っていましたけど、こういう状況になったからには本当に痛いながらも練習していた時期もあってそれがなんか逆に生きたのかな、と。痛い時に練習したらどういうジャンプになるのかというのがなんとなく予想ができていましたし、自分がどこをかばってしまってどういうジャンプになってしまうのかがなんとなく予想がついたので、朝の公式練習とか6分間練習とか。また、試合中に痛いって思えるってことはそれだけ緊張していないってことだと思うし。まだまだフリーもあるので、足の状態はたぶん、もう一回ひねらない限り悪くなることはないと思うので、このあまり調子がよくない状況で、ループ・サルコウ・フリップの最初の3つのジャンプをどう(あと)1日で調整していくかだと思います。

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コケるのが最悪だなって思って