欧州へ出発する前、新しい政府専用機を背に取材に応じる安倍晋三首相(中央)。4~6月は外交日程が続き「安倍劇場」の様相だ/2019年4月22日、東京・羽田空港 (c)朝日新聞社
欧州へ出発する前、新しい政府専用機を背に取材に応じる安倍晋三首相(中央)。4~6月は外交日程が続き「安倍劇場」の様相だ/2019年4月22日、東京・羽田空港 (c)朝日新聞社
今後の主な政治日程(AERA 2019年5月13日号より)
今後の主な政治日程(AERA 2019年5月13日号より)

 統一地方選と同時に行われた衆院2補選で敗北した自民党。現実味を帯びる衆参ダブル選の先に安倍首相が目指すのは「史上最長」の称号だ。

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 衆参ダブル選で議席を大きく伸ばせば、「安倍4選」の声も大きくなるだろう。だが、安倍首相はそれほどの長期政権でいったい何がしたいのか。憲法改正は17年の衆院選マニフェストに盛り込んだが、憲法審査会は今国会で4月に初めて行われた程度で本気さは見えてこない。

「安倍さんの目的は政権に長くいることですか、それとも死ぬ気で憲法改正しますか。そう疑う声も出てきている」(自民中堅議員)

 安倍首相は2月、首相在任期間で吉田茂を抜いた。残るは地元山口の先輩たちだ。6月に初代首相の伊藤博文を、8月には沖縄返還を果たした大叔父の佐藤栄作を、そして11月には日露戦争時の首相だった桂太郎を抜き、憲政史上最長となる。

 そのためには必ず次の参院選には勝利しなければならない──。増税延期や衆参ダブル選を持ち出してまで勝ち得たいものが「史上最長」の称号だとすれば、あまりにふざけている。

 一方の野党。野党トップの立憲民主党の枝野幸男代表は野党4党の党首らと会談し、ようやく衆議院選挙の小選挙区での候補者調整を行う見込みだ。前回16年の参院選では全国32の1人区で候補者を一本化し、うち11の選挙区で勝利した。

「1人区だけではなく、2人区でも候補者を調整する形で動いている」(野党幹部)

 安倍一強は令和になっても続くのか。問題を先送りせず、一つずつ向き合っていく。令和はそういう時代にしたい。(編集部・澤田晃宏)

AERA 2019年5月13日号より抜粋