【2】ネガティブ思考を認識する
ネガティブなことが頭をよぎった瞬間、自分がネガティブ思考になっていると認識することが大切だ。そして、自己憐憫や現実逃避、自己欺瞞、自虐などにつながらないように警戒する。どん底に落ちていると感じたときは、幽体離脱のようなイメージで、体から抜け出して自分を上から眺める想像をしてみる。すると「あんなところにいてはいけない……」と自分を救い出そうという気持ちが芽生えたり、実はどん底ではなく浅い溝にいるだけだと気づいたりもする。
【3】他人の言葉に大きな意味を持たせない
自分を傷つける相手をよく観察してみると、彼らも不安定で痛みを持つ人々であることがわかる。また、あれこれ出しゃばっておせっかいをしてくる人のほとんどが、実はこちらの人生に対して関心がないということもわかってくる。聞き流す練習をしてみよう。これが上手になると、生きるのがずいぶん楽になる。あなたの心をかき乱す相手とは縁を切るか、なるべく距離を置いたほうがいい。
【4】過去との戦いに勝つ
過去のトラウマに苦しめられることがある。特に、幼い頃に親から受けた傷によって、今も苦労している人は少なくない。私も年を重ね、自我の実体を知るにつれて、過去の亡霊がしつこく現在の自分を縛っていることに気づいた。忘れようとするとか、気にしないようにするだけでは解決しない。絶対的な意志の力が必要だ。「過去の傷に現在の自分を破壊させるもんか」「昔の偶然の不幸に、人生を台無しにされないようにしよう」「自分の人生は自分で守るんだ!」という強い意志。多くの努力と訓練が必要だが、私も長い時間をかけて過去から自由になった。
【5】日記を書く
振り返ってみると、日記が自分を守るために大きく役立ったと思う。中学1年生から大学卒業まで書いていたから、考え方や自我が確立される時期に書き続けていたことになる。漠然とした感情を文章に書いてみると、思考がはるかにクリアになり、どれほど無駄なことで苦しんでいるのかが見える。そして、書き溜めた後で読み返してみると、同じ心配や悩みを繰り返していることがわかり、思わず叫んでしまう。「うわぁ、もう悩むのはやめよう! 前進!」